不動産取引ガイド

マンションの共用部分と専用部分の違いについて

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▼共用部分とは何か?
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共用部分とは、専有部分以外の場所のことです。
主に、非常階段やエレベーター、廊下やエントランス、管理人室などを指して言います。
その他、バルコニーやポーチ、窓、玄関扉なども共用部分にあたります。

補足の説明になりますが、不動産用語では住人たちのことを「区分所有者」といいます。
さらに区分所有者がもっている部屋のことを「区分所有物」と呼びます。

■共用部分には「法定共用部分」と「規約共用部分」がある
共用部分は、大きく分けて2つの種類があります。
1つめは区分所有法によって定められている「法定共用部分」で、
2つめはマンションの規約で決められている「規約共用部分」です。

【法定共用部分】
自宅からマンションのエントランスまでをつなぐ廊下や階段やエレベーター、パイプスペース、建物の躯体部分をいいます。

【規約共用部分】
管理組合の規約によって共用すると決められた場所のことで、駐車場や管理人室、専用の庭などが代表的な例です。

たとえば分譲マンションの一室を購入し、空調を取り付ける為に壁に穴を空け、配管を通したいということで、勝手に工事などしたら大変なことになります。配管や外壁は法定共用部分で定められているため、区分所有法にある通り、総会で3/4以上の賛成意見を集めてからでなければ変更できません。
管理組合に相談なく勝手に壁に穴などをあけてしますと、マンション全体の構造にトラブルが起こる可能性があり、大問題になりますので気を付けましょう。

共用部分のものを撤去したり、変更したりする場合には、必ず管理組合に相談しましょう。
相談しても許可が得られない場合は、当然ですがこれらを行うことはできません。

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▼専有部分は部屋内のこと
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専有部分とは、単独で所有している部屋内のことをいいます。
いわゆる、コンクリートの壁や天井などで囲まれた内側部分のことを指します。

専有部分であれば、室内のドアを変えたり、壁紙を変えたり、設備を変えたりといったことが可能です。

【専有部分と専用使用部分の区別】
バルコニーやポーチ、窓、玄関扉などは、その部屋に住む人しか使いません。
そのような場所のことを「専用使用部分」といいます。
住人が専用に使用する部分なので、専有部分だと思われがちですが、実は共用部分です。

たとえば分譲マンションの一室を購入し、窓ガラスを遮光できるタイプやペアガラスのものに変更したいとします。しかし「窓ガラス」はマンションの共用部分にあたるため、たとえマンションの一室を購入していたとしても、勝手に変えてはいけないことになります。そのため、管理組合の許可を得る必要があります。

マンションの玄関扉が自分の好みではないから自己負担してでも変更したいと思っても、玄関扉は共用部分の為、同じく勝手に変更できません。そのお部屋だけ玄関扉が違うと、マンションの見た目もちぐはぐになったりするため、組合から自分のお部屋だけ変更の許可が下りることはまずないでしょう。

このような共用部分については、仮に自己負担したとしても変更できないものが多いので、購入するにあたっては、特にチェックをしておきましょう。

その他、バルコニーやポーチは専用使用できたとしても、ガーデニング行為を禁止しているところや、物置や自転車などは置かないように規定されていることも多々あります。

専用使用部分で禁止されていることや、許可されていることは、マンションの規約によって異なります。不安があれば、契約前に当マンションの管理規約を確認されることをお勧めします。

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