不動産取引ガイド

マンションの建て替えは”非現実的”?!

 

「築61年のマンション建替えにみる理想と現実」という記事を見ました。
http://bunshun.jp/articles/-/4138

新橋あたりを歩くと、古いビルが解体され、どんどん新しいビルに再開発されています。
容積率の緩和が再開発を後押ししていると言われます。
日本の土地は狭いと言われますが、空には広がる余地があるのですね。

それではマンションはどうでしょうか。
記事を見ると一朝一夕にはいかない雰囲気です。

古いマンションを解体して、今の容積率を適用すると、既存の住人が全員残ったとしても、数フロア分の新規分譲の余地があるので、建て替え費用に充当できる。
これがマンション建て替えを可能にする考え方です。
しかし、そもそも現況で容積いっぱい建てられているマンションは新しい住戸を増やす余地がありません。
また、数フロア分の新規分譲するにしても、全額賄えるわけではないので、住人にも当然費用負担が求められます。
マンションを購入した頃は現役バリバリでしたから、住宅ローンを組むことができたのですが、
すでに年金生活を始めている人なんかは、仮に建て替え費用が抑えられたとしても、追加で住宅費用を捻出する術がないのです。

マンションの建て替えには住人の合意形成が必要ですが、こういった事情を踏まえると、なかなか実現しないというか、実現する方がイレギュラーだと言えるでしょう。

国による中古住宅流通活性化の波に乗ろうとして、様々な事業者が不動産事業に参入してきています。
事業者による買取再販物件もたくさん見られるようになりました。
そもそも買取再販事業は参入障壁が低いビジネスで、資本力のある企業が攻勢をかけてきています。
当然ながら、事業者による買取相場も上昇してしまう訳で、首都圏のマンション買取再販は、物件が高くなりすぎて手が出せない状態になりつつあります。
そこで買取再販事業者が目をつけるのが「旧耐震」マンションです。
外観は古くとも、内装をフルリノベーションして綺麗になれば商品になると思っているのでしょう。
そういった事業者の中には、前述のように、仮に建て替えになったら資産価値が上がるから~みたいな、根拠のない謳い文句を平気で説明していたりします。

※そもそも買取再販物件にマンションが多いのは、戸単位で構造性能がいじれないことを逆手にとっているだけなのですね。

「旧耐震」のマンションをあえて選択する合理的な理由はありません。
見た目の綺麗さに惑わされず、将来発生し得るコストを冷静に算出して検討することが大切だと思います。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

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