不動産取引ガイド

家を買う際の「法的なリスク」とは?

お住まい購入の判断にあたっては、「賃貸かor購入か」とか、「住宅ローンは変動?固定?」、「ローンは何年で組む?」といった、ファイナンシャル的な観点からのアドバイスは良く見ます。

一方で、法的な面でのリスクについてはどうでしょうか。

「法的なリスク」といえば、たとえば

・売主がニセモノだった

・購入したけど、自分の権利にならなかった

・居座っている不法占拠者がいた

といったところでしょうか。

実際の取引の現場では、そのような事態になることはほぼありません。

そうならないように、間を取り持つ不動産仲介事業者や司法書士などの専門家が、リスクを回避する段取りをしているのです。

リスク1 完全な所有権が手に入らない

 

一般的な不動産の契約書には、「売主は、買主の完全な所有権を阻害する一切の負担を引渡しまでに排除する」といった文言があります。

売主様が住宅ローンを組んで買った場合には、その銀行等の「抵当権」というものが付いています。

抵当権とは、銀行が不動産を競売にかけることができる、という権利です。

せっかく手に入れた不動産も、この競売にかけられてしまうと出ていかなければならなくなってしまいます。

そのため、この抵当権を引渡しまでに抹消して、買主様にはまっさらな所有権を引き渡しましょう、という文言です。

取引の現場では、不動産事業者が事前に銀行等に対して、売主様の住宅ローンの残債や、抵当権解除までの手続きを確認し、売主様のサポートをしています。

また、この抵当権以外にも、「差押え」というリスクもあります。

売主様が住民税や固定資産税などを滞納してしまっている場合だと、引渡しの直前に国や市区町村から不動産の「差押え」が入ってしまうケースもあります。

もし購入直前に差押が入ってしまうと、せっかく取得した所有権が消されてしまう可能性もある、非常に危険な状態です。

こちらに関しても、引渡しがつつがなく行われるよう、不動産仲介業者や司法書士が事前に確認を取っています。

リスク2 購入するために許可が必要なケース

 

土地の種類が「田」や「畑」などの農地になっている場合、お金を払っただけでは自分のものにすることができません。

場所によっては、農業委員会から取得することの「許可」をもらわなければ、所有権を取得できない、というケースもあります。

土地の種類が何なのか、所有権取得のためには、何の手続きをいつまでにしなければならないのか、といったことを不動産仲介事業者はチェックをしています。

リスク3 地面師という不動産詐欺師

 

以前大きなニュースにもなりましたが、不動産という高額な取引をする世界では、地面師と呼ばれる不動産詐欺のプロフェッショナルが存在します。

都内でも、毎年数件の被害が確認されています。

こうした詐欺師は、免許証や印鑑証明書などの精巧な偽物を作成するこができるので、ただ書類や手続きをチェックするだけでは、詐欺を見抜くことはできません。

手続き流れに違和感がないかといった、トータルなところから判断せざるを得ません。

不動産事業者の「経験」に頼る部分が大きいかと思います。

いくつかリスクを挙げましたが、購入を検討されている一般の皆様がこうしたことを気にする必要はありません。

こうしたリスクを回避するために、不動産仲介事業者がいるのです。

信頼できる不動産仲介事業者「エージェント」を見つけていただき、二人三脚でお住まい探しができると、結果的に失敗しないお住まい探しにつながるのではないでしょうか。

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