リニュアル仲介通信

平成25年10月号 消費税増税でもちょっと待った!その駆け込みは本当に「お得」ですか?

10月1日、安倍首相が記者会見を開き、予定通り来年4月から消費税率を8%に引き上げる方針を表明しました。にわかに増税前の駆け込みの雰囲気が漂っていますが、住宅購入時に消費税増税の影響を受けるのは、「事業者から建物を買う」場合に限られます。住宅購入に関するお金の正しい知識について、再確認しておきましょう。

消費税は「事業者から」「建物を買う」ときだけに課税

そもそも消費税は、個人間売買の不動産流通については土地にも建物にも課税されないということを覚えておいてください。(仲介手数料・リフォーム費用などは別)だから、個人間売買で中古住宅を購入する費用には消費税が課税されません。5%か8%かという議論の前に、消費税がかからないのです。
消費税が課税されるのは「事業者から建物を購入する場合」だけです。4000万円の建物を事業者から購入した場合、5%で200万円、8%で320万円、10%ではなんと400万円にもなります。もったいないですね。

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減税の恩恵を最大に受けられる対象者はごくわずか?

来年4月から住宅ローン減税の拡充が決まっています。従来は最大200円までの減税だったのが、最大400万円となります。この拡充の目的は消費税増税対策です。
前述の通り、そもそも消費税が課税されない物件を買えば、4000万円の建物で320万円もの消費税は支払わなくてよいわけです。あくまでも消費税増税対策であることを知っておいてください。
さらに、400万円分すべての現在の恩恵を受けるためには、年間40万円以上の所得税・住民税の支払い(年収およそ800万円以上)と、10年後まで4000万円以上の住宅ローンの残債があることが条件です。制度は拡充されていますが、実際に最大の減税の恩恵を受けられる対象者はごくわずかです。

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住宅購入時の無駄を少しでも減らしませんか?

車の購入の時に、普段は買わないような高い値段だけれども、色々オプションを付ける方が多くいらっしゃいますが、住宅購入時もなぜか大盤振る舞いになってしまう方が多いようです。新築物件の2割は事業者の利益や販売管理費です。消費税も必要です。
4000万円の新築分譲マンションを買うということは、800万円の事業者の利益と販売管理費を負担し、100~150万円の消費税を負担することになるのです。その額、実に1000万円近くなります。
1000万円の頭金を貯めるのにとても苦労しているのに、買うときにはそれを大胆に使ってしまう、そんな方が多いのです。住宅は金融資産です。資産価値が下がりにくい賢明な買い方をしませんか?

 


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