契約関係

共有状態の不動産を分割する方法

例えば相続などにより不動産を取得した場合、複数の相続人で不動産を共有していることもあるかと思います。

不動産については、お金や動産と違い、簡単に分割することができません。

そこで今回は不動産を分割する方法のご紹介です。

分割方法その1「換価分割」

もし不動産を保有することに拘りがない場合には、その不動産を売却し、売却により得た金額を持分に応じて分割します。

これが「換価分割」と呼ばれる手法です。

投資用で保有している不動産や、空き家・空地になっている不動産、保有し続ける意向がない場合などには、この方法が選択できます。

分割や手続きがスムーズですので、おすすめの方法です。

分割方法その2「現物分割」

続いて、実際に土地を分けてしまう「現物分割」です。

第三者に売却する必要がないため、継続的に保有したい場合には候補となる方法です。

ただし、土地の場合、ある程度面積があり分割しても資産価値が残せるような場合でなければ、分割する意味がありません。

また、分割する際には、土地の測量や、隣地の所有者との境界の確認などが必要になり、手続きに係る時間や手間、コストなどにも配慮が必要です。

この「現物分割」が無事にできれば、それぞれの土地を単独で保有する、という状況ができあがりますので、管理・維持・処分の権限を明確にすることができます。

分割方法その3「代償分割」

最後は、共有者の一人が不動産を所有することとし、持分を失う共有者に対して代償金を支払う、という方法です。

手続き的には一番スムーズな方法になるかもしれませんが、代償金を支払わないといけない、という点がネックとなります。

共有者に代償金を支払うだけの資産的な余力が必要となります。

場合によっては、金融機関からの資金調達という方法もあるかもしれませんが、一般的な住宅ローンは使えませんので、利息が高いローンになってしまったり、そもそも取り扱える金融機関が限られてしまうかと思います。

分割方法その4「持分売却」

上記3つの方法は、共有者間での話し合いを行い全員で解消方法を模索するものでしたが、共有者間の関係に問題がある場合などは、単独で自己持分のみを売却してしまう、という手段もあります。

こうした持分のみの買い取ってくれる業者も存在します。

ただ、持分売却の場合には、一般的な流通価格より下がってしまうことが想定されます。

それでも、簡単に共有状態から離脱することができるので、単に共有状態を抜け出して結論を出したい、といった場合には有効な方法です。

今回、共有状態解消へのいくつかの方法をご紹介しましたが、ただこうした解決方法を取れる前提として、「その不動産に資産価値がある」ということが欠かせません。

資産価値のない不動産の場合には、第三者や持分買取業者への売却もできませんし、共有者の間でも費用をかけようという考えにはなりません。

結果として、共有状態のまま放置される、という事態が発生してしまいます。

不動産は保有しているだけでも「固定資産税」などのコストがかかりますし、不動産の「所有者責任」という潜在的なリスクも負っていることになります。

まずは、不動産を取得する予定がある場合については資産価値のチェックをきちんと見極める意識を持つこと、そして保有している不動産がすでにある場合には、その資産価値を確かめ、維持管理又は処分の方法についても道筋を決めることが重要です。

ぜひ、信頼できるエージェントにご相談いただき、不動産に関するトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

税務署からの「お尋ね」が来たら、どうすれば良いのか?1前のページ

中古戸建てを購入する際には「境界標」の事前確認を忘れずに!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    相続が変わる。不動産は「所有」と「居住」へ

    先日、日常生活や相続と大きな関係がある「民法」が改正され、相続法の分野…

  2. 不動産取引ガイド

    命を守るカードゲーム

    国土交通省は、防災教育の一環として、津波や大雨など水害対策を遊びながら…

  3. 不動産取引ガイド

    地震ハザードカルテを見て、ビックリ!

    おはようございます。リニュアル仲介の犬木です。突然ですが、独立行政法人…

  4. 天災・事故等

    台風災害への備え!

    最近、台風の発生が多く被害もふえています。もし自宅のなにかが台風の…

  5. 不動産取引ガイド

    もし直下型地震が発生したら・・検討エリアの被害想定を事前に確認しておこう!

    購入検討しているエリアの災害危険度を自分でも確認できるサイトがいくつか…

  1. 不動産取引ガイド

    住宅ローン減税OK=新耐震ではありません!新耐震と旧耐震の区分
  2. 不動産取引ガイド

    どんな不動産会社を選べばよいのか?
  3. 不動産取引ガイド

    人口減少と極端な少子高齢時代に突入した日本。
  4. 不動産取引ガイド

    不動産の「マイナンバー」
  5. 不動産取引ガイド

    昭和56年6月以降の新耐震基準の一戸建て住宅は大丈夫?!今回発表された、耐震性能…
PAGE TOP