不動産取引ガイド

契約書の特約

今回は契約書の特約についてお話ししたいと思います。

A・B・Cはお金を1人400万円ずつ負担して、Kから伊豆の別荘を買うことにしました。契約では、売主は買主のうち誰に対しても全額請求できるという特約がついていました。債権者Kは、誰に対していくら請求できるでしょうか?

契約書は隅から隅まで理解するのは大変ですが、知らないで契約してしまうともっと大変なことになってしまう場合もあります。
上記の場合は、何も特約がなければKはAに全額支払えとは言えず、A・B・C各自に400万円ずつ請求するのが原則となります。

上記の場合は要するに連帯債務にしますという特約が付いているかという事になります。
連帯債務にするという特約があれば、KはA・B・Cの1人に対し、同時もしくは順次に全員に対して1,200万円の全部または一部の支払を求めることが可能となります。
また、誰か1人が1,200万円支払った場合には、3人全てがKに対してお金を支払う義務がなくなります。

もちろん全員に1,200万円の支払いを求めたとしても、Kが受け取ることができる金額は1,200万円とはなりますが、支払を求める側としては3人の中の誰かに支払ってもらえれば良いので、よりお金の回収がスムーズに出来るようになるという利点があります。

このように契約書にはどうすればお金を支払ってもらえるか、いくらまで支払えば良いかが記されております。契約時に契約内容を簡単にしか確認していないと契約後に上記の場合ですと1,200万円請求される事もあるのでお気を付けください。

住宅購入以外でも契約書を交わして何かを購入する場合もあるかもしれません。
契約書は細かく書かれているので、読み進めるにも理解するにも一苦労な事が多いです。ですが、この契約書をしっかりと理解していないと、後々大変な事になってしまうかもしれませんので、必ずわからない事は確認すると良いと思います。

住宅購入では、通常の住宅ローンを組む場合は複雑な特約をつける事はないと思います。
ですが、ペアローンなのか、連帯債務なのか、連帯保証なのか、それぞれ内容が異なりますので、ペアローンと連帯債務と連帯保証の違いを理解して、それぞれのご家庭の事情で契約内容は異なってくるので、ご自身がどういう契約をされたのかは把握しておく必要があります。
住宅ローンも一度契約してしまうと、借り換えなどをしない限りは借入内容を変える事は出来ませんので、住宅購入時はローンもしっかりとお調べされる事をおすすめします。

 

家を建てる費用を見極める:意外と知らない経費の全貌前のページ

ペットと心地よく暮らす次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    フラット35が利用しやすくなりました

    2022年度フラット制度改正内容をご説明いたします2022年度の予…

  2. お金・ローン・税金

    不動産取引が変わる!365日24時間取引が可能に!

    以前の記事で、年末年始も不動産取引ができるようになる、とありましたが、…

  3. 不動産取引ガイド

    気になるマンションは「買いたいマンション登録」を

    住宅購入のご相談を承っていると、稀に「どうしても〇〇マンションが買いた…

  4. 不動産取引ガイド

    熊本地震で今後心配しなければならないのが、心の病…

    心に傷を負った人達が心の病にならないようにする為の対策とは?熊…

  5. 不動産取引ガイド

    誰でもわかる!木造住宅の耐震診断 ~耐力壁~

    誰でもわかる!と言いながらも結局のところはわかりにくい分野であることは…

  6. 不動産取引ガイド

    本日は立春!

    立春とは二十四節気の一つで陰暦正月節で春の季節の始まりになります。…

  1. 不動産取引ガイド

    不動産購入の際に注意すべき担保評価の落とし穴
  2. リニュアル仲介通信

    平成26年5月 中古住宅検討時のリフォーム予算の考え方
  3. お金・ローン・税金

    「超低金利を背景に 平均2.6年で借換えを決断!」
  4. 不動産取引ガイド

    中古物件購入時のリフォーム会社の選び方 3つのポイント
  5. 不動産取引ガイド

    WEBアプリを活用して不動産価格などを透明化する?!
PAGE TOP