不動産取引ガイド

自分に判断能力がなくなった場合の不動産ってどうなるの?

成年後見制度とは

認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不自由な方々が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、遺産分割協議等をする必要がある場合に、自ら行うことは難しい場合や、不利益な契約を結んでしまう危険性から保護し、支援する制度です。

成年後見制度には、大きく、法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。

法定後見制度では、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が本人の利益を考えながら、本人を代理して契約等の法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意したり、本人が同意を得ないでした不不利益な法律行為を後から取り消すことが出来ます。

一方、任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、あらかじめ自らが選んだ代理人に代理権を与える契約を公正証書で結んでおくものです。

不動産の売却・賃貸等を行う場合には、所有者本人の意思表示が必要となります。

したがって、既に本人に判断能力がない場合に本人所有の不動産の売却を行うためには、法定後見制度を利用する事になります。

ただし、その場合には、成年後見人は家庭裁判所が選任することになるため、慎重な考え方をする成年後見人が選ばれると、資産の売却に否定的な判断をすることもあり、成年後見制度を利用しても売買が実現しない危険性も否めません。

また、成年後見人が本人が住んでいる土地や建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要となる点も注意が必要です。

判断能力があるうちに資産を売却しておくなど、事前に出来る事は進めておいた方が良いと思います。

また、最近ではエンディングノートをつける方も増えているそうです。

これは突然自分自身に何かがあった場合に、家族や周りの人に預貯金や保険の詳細、または最後に伝えておきたい人へのメッセージなどを残すノートです。

まだ自分はそんな年齢ではないと思っていても、いつ何があるかわかりません。

本屋さんでも販売してますので、ご興味があったらご覧になってみてください。

リニュアル仲介、前田でした。

今日で阪神・淡路大震災から24年経ちました。前のページ

不動産購入時にチェックをしましょう!内見時に気になる『結露』について次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. マンション

    マンションの財務状況の調べ方

    中古マンションの良し悪しを判断する際には、下記の4つが大きなポイントと…

  2. 不動産取引ガイド

    所有者不明土地・建物管理制度とは

    令和3年(2021年)4月21日、民法の一部を改正する相続登記の義務化…

  3. 不動産取引ガイド

    SDGsと住まいの関係とは

    SDGsの「目標3:すべての人に健康と福祉を」と「目標7:エネルギーを…

  4. かし保険

    【瑕疵保険③】瑕疵保険には種類があります

    既存住宅売買瑕疵保険シリーズ3回目です。今回は瑕疵保険の種類について…

  5. 不動産取引ガイド

    空き家活用、中古住宅流通へ 耐震補強などを要件にして、金利優遇幅が広がる?!

    1月19日(日)の日本経済新聞の朝刊に、『中古住宅流通へ 金利優遇広げ…

  1. 不動産取引ガイド

    木造住宅の耐震診断 ~必要耐力と保有耐力~
  2. 不動産取引ガイド

    空地・空き家所有者の探し方
  3. お金・ローン・税金

    2025年5月 フラット35金利のご案内
  4. 不動産取引ガイド

    人口動態及び世帯数レポート(2)人口が増えている街で行われていること
  5. 不動産取引ガイド

    戸建ての場合のお庭での注意事項
PAGE TOP