特定の入居者をターゲットにしたコンセプト型のマンションが徐々に普及しているようですが、楽器を演奏できるマンション「ミュージション(ミュージック+マンションの造語)」があるのはご存知でしょうか?
コンセプト型マンションの場合と、通常のマンションの場合で管理規約の内容はどのように違ってくるのかといった観点で今回は少しお話させていただきます。
一般的なマンションの管理規約では、楽器の演奏について、時間帯を区切って演奏可能としているケースや、場合によっては演奏不可としているケースもあるようです。
一方で、居室の防音機能を高めることで、楽器演奏に制限を設けていないマンションもあります。
こうしたマンションについて、楽器演奏可能な点をマンションの特長として売り出し、ミュージションというネーミングで注目を集めています。
これまでは、音楽大学の近くの学生向け、といったとても限られたニーズをターゲットとしていましたが、コロナ禍の影響もあり、自宅で楽器演奏の趣味を楽しみたい、という方も増えているようです。
また、楽器演奏を趣味にしている方以外でも、最近ではテレワークやWEB会議の普及により、自宅での防音性についてこれまで以上に注目が高まっています。
取引先との重要な会議や、個人情報や社外秘とすべき会話など、ご自宅でも秘匿性の高い会話をする機会が増えているかと思います。
そうした方にも、防音性の高さはアピールポイントとなるようです。
こうした「特徴のある」物件を選択肢にする場合には、長期的なスパンを持った資産価値の見極めが大切になります。
コロナ禍以降多くなった巣篭り需要や、テレワークスタイルの普及がミュージションの人気を押し上げたとしても、将来的にその人気が維持できるのか、という点が重要です。
こうした特徴的な物件は、そもそも建築コストが上がるので、購入価格も比例して上昇します。
また、管理・維持のコストも一般的な物件に比べて高くなるケースもあります。
趣味が増え、自宅時間も増えたとはいえ遮音性というメリットの価値は減少してしまう可能性があります。
そうした場合には、そもそものマンションの立地の優位性や、コストと快適性のバランスといった点に魅力がある物件か、というポイントが大切になります。
住替えの必要性が生じた場合にも、きちんと売却する又は賃貸するなどの対応ができるようなお住まい探しをお勧めしております。
コンセプト型マンションを資産価値が上がる条件の1つと捉えて、購入し売却が必要となった場合でも困ることの無いよう、購入時にはしっかりと見極めていただけたらと思います。