不動産取引ガイド

不動産購入前に知っておきたい、夫婦間のお金の話【2026年最新版】

不動産購入は人生における大きな決断であり、夫婦間でのお金の話し合いは避けて通れません。
しかし、お金の問題がきっかけで夫婦関係に亀裂が入ったり、最悪の場合は離婚に至るケースも少なくありません。
そこで本日は、不動産購入を検討している方々に向けて、夫婦間のお金について知っておくべき重要なポイントをお話しします。
2026年現在の最新情報も含めてご説明いたします。

■夫婦のお金の管理、名義はどうすべきか?

名義とは所有者として記される名前のことです。
お金の所有者は原則としてお金を獲得した人ですから、貯蓄の名義も本来はお金を稼いだ人となります。
しかし、現金には名前を書かないため、実生活では「誰名義にすべきか?」という疑問が生じることがあります。
不動産購入時に押さえておきたい夫婦間の名義問題について、(1)日常生活、(2)離婚時、(3)相続時という3つの観点から詳しく見ていきましょう。

(1)日常生活における夫婦のお金の扱い

民法第760条では「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定められています。
この婚姻費用とは、簡単に言えば生活費のことです。
つまり、どちらの名義であっても、最終的に生活費として使われるお金については、名義にこだわる必要はないということになります。
特に注意が必要なのは、夫の収入で余ったお金を妻名義の口座に貯蓄する場合です。
法律上、これには2つの方法があります。
一つ目は「夫が妻に贈与する」という贈与契約を結び、正真正銘、妻の財産とする方法です。
二つ目は、妻が夫の代わりに管理するという契約(財産管理委任契約)を結び、管理の便宜上、妻名義にする方法です。
この場合の財産の実質的な所有者は夫となります。
どちらも書面による契約が望ましいのですが、法的には口約束でも成立します。
しかし、日常生活では夫婦間で改まって契約を結ぶことは稀で、暗黙の了解で行われているケースがほとんどでしょう。
夫婦仲が良好で双方が健康なときは問題になりませんが、相続や離婚が発生した際には、所有者が誰なのかで深刻なトラブルに発展することがあります。
妻名義の預貯金が実際に妻のものなのか、それとも名義だけで実は夫の財産なのか、裁判で争われるケースも少なくありません。
残念ながら、夫よりも収入が少ないパート勤務や専業主婦の方が「私名義で管理していた貯蓄だから私の財産」と主張しても、通常は認められません。
いわゆる「へそくり」についても、どんなに工夫してこっそり貯めても、法的には「夫の財産」となることがあります。
その理由は「お金を稼いだ人」が夫だからです。

(2)離婚時のお金の分配ルール

結婚生活中に形成された財産は、離婚時に「財産分与」として夫婦で分けるというルールがあります。
結婚後に購入したマイホームや車はもちろん、夫婦それぞれの名義の預貯金や生命保険の解約返戻金なども、すべて2人の共有財産として計算し、原則として折半されます。
重要なのは、離婚時に専業主婦が夫名義の財産の半分を受け取っても、それは結婚中に2人で形成した財産であるため、贈与税はかからないという点です。
ただし例外があります。
各自が独身時代に貯めていた貯蓄や、親からの相続で受け継いだ財産は、財産分与の対象には含まれません。
これらは「特有財産」として保護されますので、きちんと記録を残しておくことで、離婚時に自分の財産としての主張が認められます。

(3)相続時の注意点と最新の税制

夫婦のどちらかが亡くなった際には、相続の問題が発生します。
特に収入を得ていたのが夫だけだった場合、妻名義に移した財産も実は夫の相続財産として申告する必要がある可能性があります。
これがいわゆる「名義預金」の問題です。
税務署の相続税調査では、名義預金は重要なチェックポイントとなっています。
その判断基準は、預貯金の口座名義ではなく、「誰の収入によってその預貯金が形成されたか」という実質で判断されます。
2015年の税制改正で相続税の基礎控除が大幅に引き下げられ(「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に縮小)、相続税の申告が必要な人は約4%から約8%に倍増しました。
さらに2024年以降も、富裕層への課税強化の流れが続いており、名義預金への税務調査は一層厳しくなっています。
2026年現在、デジタル化の進展により、金融機関の口座情報は以前よりも税務署に把握されやすくなっています。
マイナンバーと預貯金口座の紐付けも進んでおり、透明性が高まっている状況です。

■不動産購入は夫婦のお金を見直す好機と考えましょう!

不動産購入時には、多くのご家族が夫婦間でお金について真剣に話し合います。
これは、将来のライフプランやお金の管理方法を見直す絶好の機会でもあります。
購入後の住宅ローン返済、教育資金、老後資金など、長期的な視点でお金のことを考え、夫婦でしっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。

必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家に相談することもお勧めします。
今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

 

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