先日、興味深い記事が日本経済新聞に出ていましたので、ご紹介したいと思います。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10129950Q6A131C1L72000/
この度、さいたま市は民間事業者と浦和美園地区で開発中の「美園スマートホーム・コミュニティモデル街区」で、隣り合う住民が相手方の土地に互いに地役権を設定して家と家の間に小道をつくり、その地下に電線を埋める全国初の試みを導入するそうです。
普段から顔が見える関係を築きやすくし、地震発生時は電柱が倒壊する心配のない街づくりを目指し、子育て世帯を呼び込む事を考えているようです。
モデル街区は埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩6分の「浦和美園E―フォレスト」という場所で、国のスマートエネルギー特区事業の一環で、太陽光発電や燃料電池で省エネルギーを実現、情報通信技術も活用する先進的なまちづくりを目指しているそうです。
目玉の一つが、土地の所有者同士の契約で実現する「コモンスペース整備」と「電線類地中化」だそうです。他人の土地を自分の土地の価値向上に利用できる地役権を設定してスペースを捻出するそうです。
そもそも地役権(ちえきけん)とは自分の土地の便益を高めるために他人の土地を利用できる権利であり、民法に規定があります。
一般的に、利用する側と利用される側の所有者の間で地役権設定契約を結び、登記します。代表例は、公道に面していないなどの理由から、他人の土地を通行することを目的とした場合に設定する通行地役権が有名です。
今回は住宅街を整備する際の区画割りの段階から通常行われている手法とは違い、住宅と住宅との間に小道を引いて、その地下部分に電線や通信線の配管を埋めるそうです。
一般的な施工に比べ、安価であり、地域コミュニティーの形成にもつながるようです。また、地震発生時などに電柱が倒壊し、電線が切れて道に垂れ下がるなどの恐れがないため、防災上の観点からも有効だそうです。
これから人口が減り、住宅が余っていく中で、より効率の良い住宅や利便性を求めた再開発が増えてくると思います。このような街づくりも今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕
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