マンション

資産価値にも影響を及ぼす、マンション管理組合が機能不全?!

マンションの建物や敷地、エレベーターなどの共用施設は、マンションの区分所有者で構成する管理組合が管理します。

そもそもマンション管理組合とは何なんでしょうか?!

ひとくちに「マンション」といっても、賃貸マンション(一棟)と分譲マンションでは権利関係がかなり違ってきます。
賃貸マンション(一棟)では通常、オーナーが建物と土地を全部所有していて、それを入居者に貸します。建物の管理や補修などもオーナー自らの判断で行っている場合が多いです。

一方、分譲マンションでは、建物は各住戸(301号室とか512号室など)を買った人が所有する住戸内の部分と、エントランスホールや外廊下など購入者全員の共有となる部分に分かれます。建物が建っている土地についても、購入者全員の共有持ち分である場合が一般的です。
このように分譲マンションでは、建物の一部および土地が共有となっていますので、清掃や補修などは外注するにしても、どれくらいのコストをかけて、どのように管理していくかについては基本的に購入者の合意形成が必要になります。

その管理のために存在するのが「管理組合」です。分譲マンションの管理組合は法律上、当然にできるもので、分譲マンションの住戸を購入すると自動的にその構成員となります。逆に分譲マンションの住戸を売却すると自動的にその構成員からはずれます。分譲マンションの各住戸の所有者が入れ替わっても、管理組合はそのまま存在し続けます。

マンション管理組合の仕事とは?!

マンションの管理というと、管理会社やそこの管理員が行うものと思っている人が少なくありません。確かに、廊下を掃除したりごみ置き場を整頓したり、実際の業務は外注先のスタッフが行うケースがほとんどでしょう。しかし、分譲マンションの管理(特に建物の共有部分や土地の管理)を行うためいろいろな決定を行い、コストを負担する「主体」という意味では、管理組合が行うのが一般的です。
管理組合が具体的に何を行うかは、それぞれの分譲マンションが総会で決めた「管理規約」という文書に盛り込まれています。
多くの分譲マンションが参考にしている国土交通省の「マンション標準管理規約」を参考にして管理しています。
http://www.mlit.go.jp/common/001135988.pdf (マンション標準管理規約)

ちなみに、国土交通省によると、新築分譲時に売り主が提示した管理会社を変更しないままでいる組合が76%に上るようです。多くの管理組合が抱える問題が理事のなり手不足と言われます。輪番制でいやいや管理する人がいる為、同じ人がずっと理事長を続けたりするケースもありますが、運営に緊張感がなくなり、必要以上に管理を出費したり、使い込み事件が起きたりする例が後を絶たないようです。

また、マンションの老朽化や工事費用の高騰で、大規模修繕工事をするための積立金不足で窮地に立つマンションも急増しています。こうした課題を受けて国交省は昨年、マンション管理の目安を示す「マンション標準管理規約」を改正し、組合運営にマンション管理士やマンションの権利・利用関係、建築技術などに詳しい弁護士や建築士、司法書士など外部専門家を活用する選択肢を示されました。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html (国交省 マンション管理について)

これまでも管理組合が外部専門家に助言や指導を求められるという規定はありましたが、すでに約半数のマンション組合が専門家を活用しているようです。新しい規約では、さらに進んで組合の理事などに外部専門家が直接就任したり、専門家に業務執行を任せて事理会や総会が監督できるようになり、高齢化や空室率の高まりで理事のなり手不足や機能不全になっている組合を救済する狙いがあるようです。マンションの資産価値を落とさないようにするためにも、今の管理体制で良いのかどうかは住宅購入時にも重要な判断要素となりそうです。

リニュアル仲介の犬木でした。

海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 2 【全体スケジュール 編 2/2】前のページ

既存住宅売買かし保険で気を付けたいこと次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    【プレスリリース】「マンションの耐震性に関するアンケート」住宅購入意識調査

    「マンションの耐震性に関するアンケート」住宅購入意識調査旧耐震基準…

  2. 不動産取引ガイド

    不動産を取得した際に課税される?!不動産取得税について

    不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得した際に課される地方税です…

  3. お金・ローン・税金

    フラット35の借り換えについては「借り換えシミュレーション」を活用しましょう!

    また今月のフラット金利が大幅に下がりました。なんとフラット35のH28…

  4. 不動産取引ガイド

    国土交通省「防災ポータル」開設!2020年東京オリンピック開催期間中の地震発生も想定。

    国土交通省は、東京オリンピックで訪日外国人が増えることが予測されている…

  5. 不動産取引ガイド

    「赤い土地」や「青い土地」?土地に色がついている!?

    先日、契約の前提として土地の公図(法務局備え付けの地図)を見ていたとこ…

  6. 不動産取引ガイド

    戸建て住宅を検討されている方必見、外壁塗装診断で利用されるABCチェックについて

    戸建て住宅を購入する前・購入後に住宅のメンテナンスは必須です。■外…

  1. 不動産取引ガイド

    人口が減った自治体ランキング
  2. 不動産取引ガイド

    自宅の住宅ローン控除確定申告
  3. お金

    知らないと損をする3000万円控除とは!?
  4. 不動産取引ガイド

    中古戸建てを購入する際には「境界標」の事前確認を忘れずに!
  5. 不動産取引ガイド

    放置は危険!バルコニーの水溜まりが示す防水対策の重要性
PAGE TOP