不動産取引ガイド

意外に知らない「住民票」の秘密

別に秘密でも何でもありませんが、住民票の小ネタです。

居住地の市区町村長で取得できるいわゆる「住民票」ですが、実はこちら、正式名称を「住民票の写し」と言います。

そもそも「住民票」とは、市区町村が作成・保管している「住民基本台帳」という簿冊があり、そこに編冊された各個人のページを意味しています。

現在は電子データ化されていると思いますが、この市区町村にある分厚いファイルとその各ページが住民票の原本と呼ばれるものになるのです。

ちゃんと「住民基本台帳法」という法律で定められています。

そして、窓口で交付申請して受け取れる証明書は、この住民票原本を複写して市区町村長が記載内容を証明した「住民票の写し」という書類になります。

これをコピーすれば、「住民票の写しの写し(コピー)」ということです。

ややこしいですね。

ただ、一般的には、証明書のことを単に「住民票」と呼んでしまうことが多いようです。

正式名称が「写し」であることを失念してしまうので、不動産購入などの必要書類に「住民票の写し」と記載されていると、「コピーでいいのか。」と勘違いしてしまうことがあります。

気を付けてください。

必要な書類はコピーなのか「住民票の写し」という名前の原本なのか、きちんと確認するようにしましょう。

また、最近の住民票の写しには、「マイナンバー」を記載することが可能です。

マイナンバー通知カードを紛失してしまった場合など、マイナンバーを調べたいときには、住民票の写しを「マイナンバーの記載あり」で請求すれば確認ができます。

一方、手続きによっては、「マイナンバー」が記載されている住民票の写しは使えない、というものもあります。

マイナンバーは、いわゆる「マイナンバー利用法」において、「法令で定められた場合を除き取得してはいけない」と定められています。

そのため、住民票の写しを提出される側も、マイナンバーが記載されている場合には受け取ることができなくなってしまうのです。

「住民票」はとても身近な公的書類ですが、意外に知らないことも多いものですね。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

主要都市の地価は89%の地区で上昇基調前のページ

相続税の計算方法ってご存知ですか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    荒稼ぎする「座敷わらし」

    平成28年7月度の『月例マーケットウオッチ(公益財団法人東日本不動産流…

  2. 不動産取引ガイド

    老朽マンションの建て替えを促すための『敷地売却制度』とは?!

    国土交通省は老朽マンションの建て替えを促すため、敷地売却のルールを緩和…

  3. 不動産取引ガイド

    狭い土地には建物を建てられない!?~敷地面積の最低限度について~

    物件の販売チラシの隅っこに「敷地面積の最低限度100㎡」といった記載が…

  4. 不動産取引ガイド

    築50年の家に耐震改修は必要か?

    先日お問い合わせがあった事例です。住宅の耐震化の難しさを改めて実感しま…

  5. 不動産取引ガイド

    農地の購入についての注意点

    地目が農地の場合には、不動産の購入についても注意が必要です。農地の…

  6. 不動産取引ガイド

    今更聞けない、ZEHゼッチ(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?

    現在、地球温暖化ガスの排出量削減が世界的な課題となっており、国内におい…

  1. 不動産取引ガイド

    物件が少ないときは、スピード感が重要
  2. 不動産取引ガイド

    〇〇テックの活用で、不動産相場価格が把握できるようになってきました。
  3. 不動産取引ガイド

    手付金のアレコレ
  4. 不動産取引ガイド

    震度6強で倒壊の危険(東京都)
  5. 不動産取引ガイド

    「建物のオバケ」が見つかった?
PAGE TOP