不動産取引ガイド

室温と血圧の関係?!

近年は高断熱・高気密の住宅が増えています。国土交通省では、断熱性の高い住宅への改修などによる生活空間の温熱環境の改善が、居住者の健康にどのような影響を与えるのかについての調査を実施しています。その調査により、住宅の室内環境が血圧など健康に与える影響について新しい知見が得られつつあります。住まいの温熱環境を工夫して健康で快適に暮らせるようにしましょう。

 

室温の安定は血圧の安定につながる

住宅内の温熱環境と健康との関係をご存知でしょうか。国土交通省では医学・建築環境工学の学識者や事業者の協力により、住宅の断熱化が居住者の健康に与える影響を検証する調査を実施しており、データの検証から「新たな知見」が得られつつあります。この知見の中で室温が血圧に与える影響について報告されています。まずひとつめは、室温が年間を通じて安定している住宅では居住者の血圧が安定しているということです。調査では、起床時の居間の平均気温が冬18度以上・夏26度未満で室温が安定している住宅と、冬18度未満・夏26度以上で室温が不安定な住宅を比較したところ、室温が安定している住宅の居住者のほうが最高血圧・最低血圧とも季節による数値の差が小さく、血圧は安定していました。

 

部屋間の温度差をおさえることはヒートショックの予防にも

次に部屋と部屋の温度差についてです。居間と寝室の室温がともに18度に保たれている場合に比べて、居間18度・寝室10度の場合では、起床時の最高血圧が高くなっています。これは部屋間の温度差が大きく床付近の室温が低いといった条件の場合、血圧に有意に影響があると報告されています。さらに、断熱性の高い住居に改修した居住者と改修していない居住者の血圧を比較した場合、前者の起床時の最高血圧が有意に低下しました。これは断熱改修による室温の上昇が一因とのことです。また同調査では、断熱性を高く改修して室温が上昇したため、こたつや脱衣所の暖房が不要になったなど暖房習慣が変化し、居住者の室内活動量が有意に増加したとの知見もあります。こうしたことから、住宅内の室温の変化をできるだけ少なくすることが健康を保つために役立つと考えられます。部屋間の温度差が小さく安定した室温は、冬場の脱衣所と風呂場への移動などの急激な寒暖差によって血圧が変動し、意識不明や脳梗塞、心筋梗塞を引き起こす「ヒートショック」の予防にもつながります。健康で快適な暮らしを送るためにも、住まいの温熱環境を見直してみてはいかがでしょうか。

 

築年数が古いと断熱などがしっかりされているのか不安になる住宅もありますので、購入時にはこういった点も確認してみると良いかもしれませんね。

リニュアル仲介、前田でした。

2021年4月 フラット35金利のご案内前のページ

新様式の住宅次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    外壁の種類はこんなにあります!

    外壁を変えただけで、まるで新築の家を購入したような錯覚にも陥るほど家は…

  2. 不動産取引ガイド

    最近の住宅展示場の変化

    先日、とある番組で最近の住宅展示場の紹介をしていました。全館空…

  3. 不動産取引ガイド

    せっかく購入した家を大切に!!

    家を購入した後に、手放さなければならないような事態を招かないよう、今回…

  4. 不動産取引ガイド

    【厳しい冬に不慣れな方へ】今シーズンは給湯器の故障に要注意です!

    いよいよ冬真っ盛りです。冬に気を付けたいのが給湯器の故障です。…

  5. 不動産取引ガイド

    内陸型地震を引き起こす活断層

    首都圏では様々なタイプの地震の発生が予想されています。首都圏で…

  6. 不動産取引ガイド

    雹の被害は春も注意が必要!!

    春は、晴れると気温も上がり、最高気温が25度を超えることもあります。た…

  1. お金・ローン・税金

    【必見】10月1日からフラット35Sの金利引き下げ幅が変更となりました…
  2. 不動産取引ガイド

    ご自宅のキッチン、使い勝手はいかがですか?
  3. 不動産取引ガイド

    二級建築士の取り扱える建物
  4. お金・ローン・税金

    住宅ローンについて 素朴な疑問にお答えします
  5. 不動産取引ガイド

    塀は隣との「共有」と「単独所有」どちらがいいのか?
PAGE TOP