不動産取引ガイド

便利ツールを活用した効率の良い物件探し

家を買おう!と思い立ったらはじめにポータルサイトの物件広告を見始める方が多いです。
偶然見つけた物件が気に入り、不動産会社へコンタクトを取って内見を行い、物件価格も予算内なのでそのまま購入手続きへ…
実際の住宅購入ではこのようにスムーズに進むことはほとんどありません。
金額もそうですが、検討するべき事項が多すぎて、たまたま物件広告で良さそうな物件を見つけたからと言って、「買ってよい物件なのかどうか」を判断する材料が乏しく、購入を決断できないからです。
また、物件購入の予算と探しているエリアの相場が合わず、有りもしない物件を求めて延々と不動産会社を渡り歩く方もいらっしゃいます。
今回は便利なWEBツールを使った効率の良い物件探しについてご説明いたします。
ご紹介するWEBツールは無料で利用できますので、ぜひご活用ください。

■物件の善し悪しを自動判定!「SelFin」

ポータルサイトで良さそうな物件広告を見つけても、間取りや写真は良さそうでも、買ってよい物件かどうかを見分けるのは簡単ではありません。
少し興味を持った程度で事業者に問い合わせるのは気が引けてしまう方も多いです。(事業者としては些細なことでもご相談いただける方がありがたいのですが…)
そこで「SelFin(セルフィン)」です。
SelFinを使えば誰でも簡単に物件の善し悪しを判断できるようになります。

例えば耐震性です。
日本は地震大国なので、長く住む予定の住宅の耐震性は気になるところです。
実は築年数でおおまかに分類することができるのですが、SelFinを使えば、そういった知識が無くても自動的に判定してくれます。

また、マンションをご検討の方は管理費や修繕積立金が妥当かどうかも気になるところです。
国が指標を出しているのですが、この指標は平米単価なので、物件の床面積からいちいち計算しなければならないのは面倒です。
SelFinを使えば、国の指標と現在設定されている管理費・修繕積立金が表示されるので、金額の妥当性を簡単に判断することができます。

SelFinはPCで利用すると更に便利になります。
Chrome拡張機能をセットしておけば、ポータルサイトの物件ページを開くだけで自動的にSelFinの診断結果が表示されるようになります。

便利なツールなのでぜひご活用ください。

<SelFinChrome拡張機能はこちら>

■マンションをご検討の方は全国マンションデータベースをご利用ください

ポータルサイトの広告は、個別のお部屋の情報が中心です。
どれだけ個別のお部屋が綺麗にリフォームされていても、建物全体や管理で問題を抱えたマンションは「良い物件」とは言えません。

例えば総戸数です。
お部屋の面積が十分な広さであれば、他の住人が少なくても問題ないだろうと判断するのは危険です。
マンションは他の住人と共有する建物なので、総戸数の少ないマンションは管理費・修繕積立金の未納など特有の問題を抱えることとなります。
総戸数が多ければそのリスクを吸収することができますが、総戸数が少ないマンションは他の住人への影響が大きく、管理の質が下がったり、必要な修繕工事が行えない事態も考えられます。

良いマンションを判断する指標の一つに取引量があります。
たくさん売られていると聞くと何かしら問題を抱えているのでは?と疑う方がいらっしゃいますが、この判断は全く逆です。
過去の売り出し情報数の多いマンションは、それだけそのマンションを気に入って検討する方が多いという見方になります。
過去の売り出し情報が少ないマンションは、現在売りに出ている物件の価格の妥当性を判断する材料に乏しいので、一般の方の関心を集めにくいマンションとも言えます。

これらの情報をポータルサイトの物件広告から調べるのは困難です。
そこで全国マンションデータベースです。
全国マンションデータベースにはマンションの過去の売り出し情報や周辺相場、過去の賃料履歴、クチコミなどマンション全体の資産価値を判断する情報が満載です。
全国マンションデータベースにはマンション偏差値という独自指標があり、市区町村や最寄り駅でのランキングが表示されるので、検討エリアの中でどれくらいの位置にあるマンションなのかを簡単に判断することができます。

全国マンションデータベースは、先ほどご紹介したSelFinにアカウント登録があれば無料でご利用いただけます。
マンションをご検討の方はぜひご活用ください。

■新着物件情報がメールで届く!「物件提案ロボ」

ポータルサイトはいくつもあります。
同じ物件が複数のポータルサイトに掲載されることも多いのですが、ポータルサイト全てを網羅しているわけではありません。
ポータルサイトは不動産会社が広告費を払って掲載しているためです。
その物件を取り扱っている不動産会社が利用していないポータルサイトには物件広告が掲載されません。
だからと言っていくつものポータルサイトを見続けるのはかなり手間がかかります。

そこで物件提案ロボです。
物件提案ロボはインターネット上の物件情報をロボットが自動で収集し、設定した条件に合致する新着物件情報をメールでお届けする仕組みです。
希望条件を設定しておけば、あとは毎日届くメールを確認するだけで、新着情報を把握することができるようになるので便利です。

また、物件提案ロボはエリアの相場観を掴むという目的でも利用できます。
設定した条件に無理がある場合は、どれだけ待っても一向に新着情報が届きません。
その日の新着情報がない場合は、新着情報がありませんでした、というメールが届きますので、何日か新着情報なしのメールが続くようであれば、予算がエリアの相場観にあっていないと判断できます。
この状態でいくら待っても条件を満たす物件が現れる見込みがないので、エリアの再考が必要となります。

物件提案ロボはマンションを指定して登録することもできますので、狙っているマンションがあれば登録しておくことをお勧めします。

■物件探しの手間を省き、信頼できる不動産会社探しに時間を充てる

インターネット技術が発展していても、物件を一度も見ないで購入することは困難なので(買うという判断ができない)、どこかで不動産会社と直接会う必要があります。
不動産会社にアクセスするとしつこく営業されそう、と警戒される方もいらっしゃいますが、強引なセールスが成立するのは、事業者と消費者に情報格差がある場合です。
今回ご紹介したツールを活用することで、事業者との情報格差を緩和できますので、変な営業に引っかかるリスクは少なくなります。(事業者に任せっきりの姿勢だと悪質な事業者に引っかかる恐れがあります)
取引が進むと不動産会社とのコミュニケーションが不可欠なので、物件探しよりも、信頼できる事業者選びも重要な検討事項です。
事業者の善し悪しももちろんですが、担当者との相性も重要です。
不動産取引を円滑に進めるためにも、自分と相性の良い事業者探しを行うことをお勧めいたします。

自宅マンションの売却、手続きや注意すべきポイントについて前のページ

一戸建ての雨漏りが発生する原因次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    天井カセット型エアコンとマルチエアコン:高級な選択に隠れたリスクとは?

    こんにちは、エージェント中田です。今日は、多くの高級マンションに設置さ…

  2. 不動産取引ガイド

    最近の住宅の窓!

    最近、新築住宅の窓が少ないまたは小さいと感じた事はありませんか?…

  3. 不動産取引ガイド

    築50年の家に耐震改修を行うメリットはあるか?

    先日お問い合わせがあった事例です。住宅の耐震化の難しさを改めて実感しま…

  4. 不動産取引ガイド

    外壁の色と室内温度は関係

    我が家の外壁は黒なのですが黒い外壁は夏は暑いのですか?と聞かれたこ…

  5. 不動産取引ガイド

    細い土地はどうやって作られる?

    戸建ての購入を検討されている方でしたら、測量図などもご覧いただいた事が…

  6. 不動産取引ガイド

    『マイホーム購入過程に起こる、「妻がイラッ」とした瞬間!』

    こんな記事が目に飛び込んできた・・・『マイホーム購入過程に起こ…

  1. 不動産取引ガイド

    中古戸建て購入時に既存住宅売買瑕疵保険がお勧めな理由
  2. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの繰り上げ返済 利息軽減のポイント!
  3. 不動産取引ガイド

    売買契約の解除
  4. お金・ローン・税金

    元利均等返済のメリット・デメリット
  5. 不動産取引ガイド

    ドローンを活用したインスペクション 安全な飛行に向けて!
PAGE TOP