地形によっては、土石流・がけ崩れ・洪水・津波・液状化など、さまざまな自然災害が発生しやすくなります。特に日本は急峻な山地と平坦な沖積平野が広く分布しているため、山では土砂災害、平野部では洪水被害が起こりやすい特徴があります。
また、湾奥や岬などの海岸地形では津波のエネルギーが集中し、扇状地の谷出口では土石流が堆積しやすいなど、地形の違いによって災害の形も大きく変わります。
【山地・傾斜地・谷地で起こりやすい災害】
●土石流・地すべり・がけ崩れ
日本は急峻な山地が多く、大雨・地震・火山活動の影響を受けやすいことから、土砂災害が発生しやすい環境です。
山腹崩壊から始まった土石流は谷を一気に流れ下り、扇状地で堆積しやすく、特に扇端部では被害リスクが高くなります。
●洪水
日本の河川は勾配が急で流れが速く、大雨で流量が急増し、洪水が発生しやすくなります。
【平野部で起こりやすい災害】
●洪水・高潮
沖積平野には人口が集中し、河川の氾濫時には大きな被害が出やすい地域です。
●液状化
扇状地の扇端部や後背湿地など、地下水位が高く地盤が軟弱な場所では、地震時に液状化が発生しやすくなります。
【海岸部で起こりやすい災害】
●津波
岬の先端やV字型の湾奥などでは津波のエネルギーが集中し、波が繰り返し押し寄せたり異常に高い津波となることがあります。
また、海岸低地や河口部では津波が内陸深くまで遡上し、広範囲で被害が及ぶ可能性があります。
■内水氾濫(堤内地の浸水)
堤防で守られた市街地側(堤内地)で発生する浸水を「内水氾濫」といいます。
●内水氾濫とは
大雨によって下水道や用水路などの排水能力を超えることで発生し、水路・マンホールなどから水があふれて住宅や道路が浸水する現象です。
排水施設の容量不足や、高潮による排水阻害などが主な原因で、都市部では特に起こりやすく、「浸水害」とも呼ばれます。
【内水氾濫の主な原因】
・排水能力の不足:下水道や排水路の容量を超える集中豪雨が原因
・河川水位の上昇:排水先の河川水位が高くなると下水が流れにくくなる
・地形・都市化の影響:低地や舗装面が多い都市部では雨水が浸透しにくく浸水しやすい
【内水氾濫の種類】
・氾濫型:排水能力が不足して発生(近くに川がなくても起こる)
・湛水型:河川の水位上昇が原因で堤防付近に多い
【対策と注意点】
●ハザードマップの確認
自分の住む地域の内水氾濫リスクや避難経路を事前に把握しておきましょう。
●避難時の注意
浸水時の車移動は危険です。エンジン停止や水没のリスクがあり、水深も判断しづらいため、基本は徒歩で避難します。
●都市部での対策
公園・緑地での雨水貯留、貯留槽の設置、浸透性舗装の利用などが効果的です。近年の集中豪雨により、都市の水害リスクは高まっています。
【市街地化がもたらす影響】
樹林地・草地・水田は雨水を一時的に貯めたり地中へ浸透させたりする機能があります。
しかし市街地化により、屋根や舗装面が増えると雨水の浸透が大幅に減り、流出量が増加します。
・流出率
農耕地 → 約0.5
市街地 → 0.8〜0.9 に増加
・表面粗度は市街地化により数百倍に低下(=流速が速くなる)
その結果、同じ降雨量でもピーク流量が数倍になり、河川の氾濫や堤防決壊のリスクが大きくなります。
【内水氾濫が起こりやすい地形】
・後背低地・旧河道・旧沼地
・砂州・砂丘により排水が悪い海岸低地
・旧潟湖(入り海が閉じた地形)
・都市化した台地の谷底低地
・地盤沈下域、ゼロメートル地帯、干拓地 など
これらはもともと排水条件が悪く、市街地化によってさらに雨水が集まりやすくなり、内水氾濫が発生しやすくなります。
【雨水の貯留・浸透の重要性】
内水氾濫を防ぐには、「流す」より「貯める」「浸透させる」が基本です。
・建物敷地内で雨水を貯める貯留槽
・公園・緑地・運動場を利用した貯留
・浸透性舗装の活用
・洪水調整池(新規開発地で整備される小ダム)
自然・人工の遊水地を保全することは、防災・環境の両面で有効です。
【浸水時の危険】
・ひざ上の浸水で歩行困難
・マンホールのふたが外れ落下する事故
・地下街・アンダーパスの急激な浸水
市街地の浸水は命に関わる危険を伴うため、早めの避難判断が重要です。
◎まとめ
地形による災害は予測が難しいケースも多いため、お住まい探しの際には必ずハザードマップを確認し、安全性の高い地域を選ぶことをおすすめします。
リニュアル仲介、渡辺でした。











