住宅ローン滞納時の任意売却について知っておくべきこと
住宅ローンの返済が困難になった場合、最終的に自宅を手放さなければならない状況に直面することがあります。
その際の選択肢として「任意売却」と「競売」がありますが、任意売却は競売と比較して多くのメリットがある解決方法として注目されています。
ここでは、任意売却の特徴、メリット、注意点について詳しく解説させていただきます。
■そもそも「任意売却」と「競売」の違いについて
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、債権者である金融機関の合意を得て、市場で不動産を売却する方法です。
一方、競売は裁判所を通じて強制的に不動産を売却する手続きです。
この二つの方法には、売却価格において大きな違いがあります。
任意売却の最大のメリットは、競売に比べて市場価格に近い価格で売却できる可能性が高いという点です。
競売の場合、一般的に売却額が市場相場の約6割程度になることが多いとされています。
これは、競売物件が特殊な売却方法であることや、物件の内覧が制限されることなどが影響しています。
それに対して、任意売却では通常の不動産取引と同様に市場で売却活動を行うため、より高い価格での売却が期待できます。
売却価格が高ければ、その分だけ残債を減らすことができ、債務者の経済的負担を軽減することができます。
■信用情報への影響について
住宅ローンを滞納した場合、避けられない問題として信用情報への影響があります。
61日以上の滞納、または3回以上の滞納があると、個人信用情報機関に事故情報が登録されます。
これがいわゆる「ブラックリスト入り」と呼ばれる状態です。この事故情報は5年から10年間は抹消されません。
その期間中は、新たな住宅ローンや自動車ローンの契約、クレジットカードの新規作成が非常に難しくなります。
また、賃貸住宅を借りる際にも、保証会社の審査に影響する可能性があります。
任意売却を選択したとしても、すでに滞納が発生している時点で信用情報に傷がついているため、この点は任意売却特有のデメリットではなく、住宅ローン滞納そのもののデメリットとして理解しておく必要があります。
■任意売却を検討する適切なタイミングについて
任意売却を検討する上で、タイミングは極めて重要です。
一般的に、住宅ローンの滞納が6ヶ月ほど続くと、金融機関から任意売却か競売かの選択を迫られることがあります。
このタイミングが、任意売却を進める上での重要な分岐点となります。
滞納期間が長引くほど、競売手続きに進む可能性が高まります。
金融機関としても、できるだけ早く債権を回収したいという考えがあるため、滞納期間が長期化すると、任意売却による時間のかかる売却活動よりも、確実性の高い競売を選択する傾向があります。
そのため、任意売却を希望する場合は、早めに金融機関や専門家に相談し、売却活動を開始することが重要です。
■住宅ローンの滞納は早期相談が必要?!
住宅ローンの返済が苦しいと感じ始めたら、実際に滞納する前に金融機関に相談することが最も重要です。
1回から2回程度の滞納であれば、金融機関からの督促はありますが、すぐに競売にかけられることは基本的にありません。
この段階であれば、返済計画の見直しやリスケジュール(返済条件の変更)など、自宅を手放さずに済む選択肢を検討できる可能性があります。
しかし、滞納が続くと「期限の利益の喪失」という状態になります。これは、分割で返済する権利を失い、残債の一括返済を求められることを意味します。
通常、住宅ローンは長期間にわたって分割で返済する契約ですが、滞納により契約違反となり、この分割払いの権利が失われるのです。
一括返済を求められても、ほとんどの債務者はそれに応じることができません。
一括返済ができない場合、金融機関は債権回収のために最終的に競売手続きに移行します。
競売は債務者の意思に関わらず進行するため、売却価格や退去時期などについて、債務者の希望はほとんど反映されません。
このような事態を避けるためには、返済が困難になりそうだと感じた時点で、できるだけ早く金融機関や住宅ローンの専門家、不動産会社などに相談することが重要です。
早期に相談することで、任意売却をスムーズに進めることができ、より有利な条件での売却が実現する可能性が高まります。
■住宅ローン滞納時の任意売却で大切なこと
任意売却は、住宅ローンの返済が困難になった際の有効な選択肢の一つです。
競売と比較して市場価格に近い価格で売却できる可能性が高く、残債を少しでも減らすことができるというメリットがあります。
ただし、滞納による信用情報への影響は避けられず、長期間にわたって新たな借入が困難になることは理解しておく必要があります。
最も重要なのは、返済が苦しいと感じた段階で早めに相談し、適切な対応を取ることです。
滞納期間が長引くほど選択肢は狭まり、最終的には競売という最も不利な結果を招く可能性が高まります。
任意売却を成功させるためには、早期の決断と行動が鍵となります。今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕












