マイナス金利によって、市場最低金利水準となっている住宅ローン。
金利が低い一方、不動産価格は3年ほど前に比べてマンションは高騰しその状況が続いています。これから都心で物件を買おうとしている人も、「今のタイミングで購入していいのかと・・」相談を受けることが増えました。
いつ購入するかは、タイミングを待ち続けていてもなかなか購入できません。あれよという間に物件価格が上がり、気づいたら3年ぐらい経ってしまった・・・という人も多いのです。
では、これから購入を検討する方にとってどうすればよいか。
価格ばかりにとらわれるのではなく、一歩引いて全体を見る視点が必要です。
まず、分譲マンションを借りたら賃料はいくらになるか。
分譲価格の4~5%が年間の賃料相場である。都心の高額物件ではこれが3%近くになる。
(例)5,000万円の物件ならば、5,000×4%=200万 200万÷12=16.7万・・賃料 (ここでは、仮に4%を想定しておきます。)
物件価格が100%なので、4%の年間賃料支払いは25年後に同額払い切ることになります。
これに対して、住宅ローンの支払いは元本返済だけでなく金利も支払うことになり、通常元利均等などで毎月同額を支払うことになります。この元利返済額の年間合計額が借入金額の何%になるか(ローン比率)を、下記のグラフに表してみました。
◆物件価格に対するローン比率(年間元利返済総額÷借入金額)全額ローンの場合
(縦軸が借入期間で、横軸が金利)。
物件代金に対して頭金なし100%の借入れの上の表で、金利1.0%、借入期間35年なら、ローン比率は3.4%なので、4%を下回っています。
つまり、賃料と比較しても無理なく返済ができ、35年後にはローンの支払いを終え(実際には35年経つ前に住み替えるか、繰り上げ返済をして35年より短い期間で払い終える方が大多数)、その後は管理費と修繕積立金だけの支払いで住み続けることができます。
■ここで金利が1%上昇して2.0%になった場合どうなるか。
そうなると、3.4%の返済額が4.0%と返済額が約18%も増えます。元利返済の場合、利息が増えると元本の減りが急激に悪くなるからです。そうするとローンの支払いと賃料とはほぼ同等の金額になります。
○4,000万円の借入れ
→月々の支払いは、約19,600円増え、利息はなんと2.1倍の822万円も増えます。
○5,000万円の借入れ
→月々の支払いは、約24,500円増え、利息はなんと2.1倍の1,028万円も増えます。
だからこそ、マイナス金利の影響でほぼ1%前後の金利で借りれる長期全期間固定金利(「フラット35」の今月の金利は、1.03%)を今こそ使わない手はありません。
物件価格に敏感な人は非常に多いですが、総じて金利に敏感な人はかなり少ないです。
「でも今は以前に比べて都心マンションは高いから、もう少し様子見を・・・」と思っている方へは、逆に言い換えると、下記のようになります。
金利が2.05%だった約3年前(H25年7月)物件価格を100とした場合、価格が2割上昇して現在120になっても、金利は当初から約1%下がり、1%になれば、(H28年11月の金利は1.03%)持ち家取得に要する総支払金額はほぼ変わらないといえます。このことから、金利の影響の大きさを痛感して頂けると思います。
■では、今後は大きく価格が下がるのか?
こればかりは、絶対はないので、正直誰もわかりません。
ただし、金融緩和政策が続いている間は、都心のマンションに関しては下がりにくいのではないかと思われます。その安倍首相の任期と、「アベノミクス」の金融を担う日銀の黒田総裁の任期はともに2018年です。そこまでは金融緩和が続くと予想され、これ以上の上昇がないにしても、現状維持が予想できます。都心になればなるほどその傾向は強いです。
価格が下がるのを待ち続けて数年間の賃料(約数百万)を払い続けるより、都心のエリアをきっちり見極めて、この超低金利時代に変動リスクのない固定金利でローンを組んだ方が賢明といえるでしょう。
ただし、慌ててやみくもに購入してはいけません。
どのエリアの物件を購入するか、資産価値の下がりにくい住宅を購入することが資産防衛になります。
■どんな物件を購入すれば失敗しないか・・
インターネットでくまなく勉強すればなんとなくわかるかもしれませんが、情報が多すぎて時間が掛かりすぎます。何が正しいか良く分からない・・と悩むより、専門家から学んだ方が時間も早いですし、スッキリします。
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バイヤーズエージェント中田でした。