不動産取引ガイド

相続人がいなくても不動産は売れる!(困難事例編)

前回、遺言で「遺言執行者」を選任しておけば相続人がいなくても不動産売却が可能となる、との記事をご紹介しました。https://smile.re-agent.info/blog/?p=3787

ところが、こちらは売却の「手続き」が可能となるだけで、実際にその不動産が売れるかどうかは別の話です。
買い手がつかないような不動産では、いくら遺言執行者がいても売却ができないケースも出てきてしまいます。

また、遺言執行者にも報酬は発生します。
遺産の中に、不動産以外の資産(預貯金や現金)があればいいですが、ない場合には遺言執行者の報酬をどこから捻出するかが問題です。
不動産の売却代金から清算をするケースが一般的ですが、値下げしても売れないような場合には一向に報酬が払えません。
せっかく選んだ遺言執行者も辞任してしまう、といった状況にもなりかねません。

相続人がいないケースで、遺言執行者が辞任もしくは就任拒絶をしてしまった場合には、裁判所に「相続財産管理人」を選んでもらうように申し立てることになります。
遺言執行者の代わりに動いてくれる「管理人」を選ぶ、という手続きの流れになります。

しかし、またここで問題が発生します。
この「相続財産管理人」を選ぶ場合には、相続財産管理人の報酬は「前払い」制になります。裁判所に申し立てをする際に、まず報酬分を支払わないといけません。

売れるかわからない不動産のために報酬を前払いしなければならない、ということがネックになり手続きを断念してしまう方も多くいます。
こうして売るに売れない「空き家」が発生してしまう、という流れが発生してしまうのです。

処分に困ってしまう不動産については、次の世代に回すのではなく、動けるときにきちんと解決へ動いていきましょう。
まずは、不動産取引に詳しいエージェントにご相談ください!
***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/(ご利用は無料です)

■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

建物インスペクションで 中古住宅の不安を払拭前のページ

敷地境界にブロック塀がある場合の注意点(その①)次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    地盤の簡単なチェック方法

    地盤の悪い地域だと知らずに購入して、家が傾きボールが転がりだした・・…

  2. 不動産取引ガイド

    住宅ローン減税にまつわる気の毒な話

    今年も確定申告の時期を迎え、住宅ローン減税についての問い合わせが増えて…

  3. 不動産取引ガイド

    防災の基本は最悪の想定から

    今年は東日本大震災から丸10年ということで、マスコミを中心に防災に関す…

  4. 不動産取引ガイド

    知っておきたいカラーコーディネイトの基礎知識

    住宅購入をした後に「どうもわが家はごちゃごちゃしていてインテリアが決ま…

  5. 不動産取引ガイド

    中古住宅購入なら利用したい、国の支援制度

    中古物件を購入する場合、住宅ローン減税や補助金などの支援制度がいくつか…

  6. 不動産取引ガイド

    水災害に強い街づくり―主体的な避難の推進―

    気候変動による降雨量増加や海面水位上昇等により、水災害は頻発・激甚化し…

  1. マンション

    買って良い物件、買ってはいけない物件、選定基準さえ知っておけばきっと損はしません…
  2. 不動産取引ガイド

    基礎と同じ様に土壌も気を配って見てください。
  3. 不動産取引ガイド

    実測売買と公簿売買の違い
  4. 不動産取引ガイド

    阪神淡路大震災を忘れない!家を買う時にもう一度考えたい住宅の耐震性と地震リスク
  5. 不動産取引ガイド

    実家の処分という家族の問題
PAGE TOP