厚生労働省が6月2日(金)に発表した人口動態統計によりますと、2016年に生まれた子どもの数(出生数)は97万6979人で、1899年に統計をとり始めてから初めて100万人を割り込んだようです。1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は1.44と前年を0.01ポイント下回り、2年ぶりにマイナスを計上したようです。この結果は出産適齢期の女性の減少が少子化に拍車をかけているようですが、果たしてそれだけなんでしょうか?!今回は、不動産取引との関係性も踏まえ、考えてみたいと思います。厚生労働省が発表した資料については下記ホームページをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai16/index.html
ちなみに2016年の出生数は前年比で2万8698人減りました。2005年に4万8191人減となって以来の大きな減少幅だそうです。死亡数は前年比1万7321人増の130万7765人。出生と死亡の差はマイナス33万786人で、10年連続の自然減となっています。
厚労省は出生数減少について「出産適齢期の女性が減ったのが大きい」とみているようですが、下記の「〇」でまとめた3点の理由が大きいようです。
2016年は30~34歳の出生率が11年ぶりに低下。2005年の1.26を底とする出生率の回復基調は30代の出産が支えていましたが、今後、少子化が進めば、人手不足は深刻さを増し成長の足かせになっていくものと思います。現役世代で支える年金や介護の社会保障制度も危ういという声も聞こえてきます。上向く兆しのあった出生率も伸び悩んでいます。政府は「一億総活躍」を掲げ、経済の活力向上に取り組んでいますが、肝心の人口維持は絶望的な状況と言わざるを得ない。(出生数のピークは1949年の269万6638人。当時は団塊の世代が生まれた第一次ベビーブームのころ。今はこの3分の1程度しかないという状況です。)
〇女性の未婚率が上昇している。
出産適齢期の女性の数が減り、未婚率が上昇したのが響いている。これまで出産適齢期の人数が減っても、30代前半の出生率は回復していたが、2016年は30代前半の出生率が11年ぶりに低下。20歳代の出生率は低下傾向が続くだけに、30代の失速は今後も尾を引いています。今まで日本の社会保障は年金・介護など高齢者向けの対策が優先され、出産・育児支援は後回しされがちだった。少子化対策の財源も乏しい。今年度の社会保障関係予算(約32兆円)のうち、少子化対策費は約2兆円。保育の受け皿整備の遅れなど、子育て環境が整わないことを少子化に歯止めがかからない一因とみる。
〇保育所整備も進んでいない。
待機児童解消策として進める保育所整備は、新たに22万人分の確保を目指していますが、予算の手当はこれから。幼児教育や保育の費用を賄う「こども保険」構想も浮上するが、政府・与党内で結論が出るまでにはなお曲折がありそうです。
〇働き方改革の実行カギを握っている?!
未婚率の高さも不安材料。国立社会保障・人口問題研究所によると、15年の生涯未婚率は男性が23.37%で5年前より3.23ポイント増、女性は14.06%で同3.45ポイント増。結婚しない選択もあるが、収入が安定せず、結婚したくても踏み切れない人は多いようです。
若者の正社員雇用など、結婚したい若者が結婚できる社会・経済環境を作ることが不可欠であり、働き方改革による非正規労働者の待遇改善や長時間残業の是正など子供を産み育てやすい環境づくりを急ぐ必要があるようです。
現在、今後の人口減少を予測して、立地適正化計画制度に手を上げる自治体が2017年4月末現在で348になっています。今回の出生数などを考えると、不動産購入をする際にはエリア選定が非常に重要であり、また人口の都心集中も始まっている事を考えると、「いつでも貸せたり・売れる物件」を購入しないと後悔する事が予測できます。
http://www.mlit.go.jp/en/toshi/city_plan/compactcity_network.html (立地適正化計画制度HP)
法人営業部 犬木 裕
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