不動産取引ガイド

生まれ変わった東京駅・・・の秘密

「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」が終わり、生まれ変わった東京駅ですが、その改修費用は実に500億円と言います。

その費用をJR東日本はどのように調達したのでしょうか。

実は、この時に用いられた手法が「空中権の移転」という制度です。

それぞれ土地には「容積率」が定められており、土地に対してどの規模までの建物が建築できるか上限が設けられています。

ところが、東京駅の場合には、低層の駅舎であるため、指定容積率の上限まで利用していませんでした。

そこで、この「未利用の容積率」を「空中を使ってよい権利」として捉え、その権利を他の土地に売却したのです。

「空中権」を取得した近隣の土地は、例えば元々の容積率が700%だったところ、購入した「空中権(=容積率)」を加えることで容積率800%まで建物を建築できるようになる、という方法です。

まるで錬金術のような手法ですが、どこでもこの方法が使えるわけではありません。

この「空中権の売却(=「容積率の移転」」が使える場所は「特定容積率適用地区」に限定されます。

「特定容積率適用地区」に指定されるためには、「高度な利用を促進すべき地区である」「適正な公共施設を備えている」「歴史的建造物の保存・復元などの地区整備の方針が定められている」などの要件があります。

東京駅は、これらの諸条件をクリアしたために、空中権移転という手法が採用できたのです。

そもそも「空中権」は、所有権や地上権などの権利と違い、民法などには空中権を規定した法律はありません。

ただし今後は、人口減少や立地適正化計画などにより利用される地域が集中していくことを考えると、この空中権の活用が進んでいくかもしれません。

「ネーミングライツ」などにも言えますが、以前はそれを売るなど考えられなかったことが、資産価値として認められお金になる、ということもあります。

新しい発想、柔軟な考え方を取り入れていきたいですね。

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