不動産取引ガイド

中古戸建の取引には既存住宅売買かし保険が欠かせません

かし保険は消費者保護の制度です

平成21年10月に住宅瑕疵担保履行法が制定され、すべての新築で瑕疵担保責任保険への加入か、供託による資力の確保が義務付けとなりました。瑕疵担保責任保険は、国土交通省が認定した瑕疵担保責任保険法人(現在は5社)が提供する保険商品で、目的は消費者保護です。仮に建設事業者が倒産したとしてもトラブルを解決出来るだけの資力を確保しておく仕組みです。
中古住宅の瑕疵担保責任保険は平成22年6月よりスタートしました。既存住宅流通時に保険をかける「既存住宅売買かし保険」です。既存住宅売買かし保険がカバーするのは、構造躯体と雨水の進入防止に関する部分です。購入時には発見できなかった不具合があったとして、例えば梅雨時期に雨漏れが発生した場合などに保険金が支払われます。
かし保険を付帯するには検査会社による現況検査で基準をクリアする必要があります。つまりかし保険とは、検査で不具合がないか予めチェックし、万が一保険事故が発生しても補修費用が担保される、検査と保証が一体となった中古住宅の購入には欠かせない安心の制度なのです。

□既存住宅売買かし保険は売主によって仕組みが変わります

<売主が宅建業者の場合>

201510裏1

<売主が個人の場合>

201510裏2

万が一のリスクは保険でカバーする

中古住宅を購入する上で大切なポイントは、瑕疵のリスクをいかに回避するかです。 これまで結果的に瑕疵の問題が買主が一方的に背負っていたのは、結局、問題が発覚したとしても、相手側に資力がなければ問題が解決できなかったからです。 特に住宅の場合は、問題が発生すると解決するために多額のコストがかかってしまうケースが多く、相手側が補修するための費用を持ち合わせていなければ、解決することはできません。 相手との信頼関係や契約書に依存するのではなく、問題が発生しても解決しうる資力の確保こそが必要なのです。

既存住宅売買かし保険は中古戸建の取引に必要不可欠です

リニュアル仲介では資産価値が下がりにくい住宅購入をお手伝いしており、かし保険は最低限の条件です。かし保険をかけることのできない、住宅性能が基準に満たない建物は将来住宅の資産化が必要になった時に大きな問題を抱えてしまいます。特に中古戸建て住宅の購入時には、既存住宅売買かし保険の付帯を強く推奨いたします。

□かし保険の保証対象

201510裏3


 

PDFファイルダウンロード

 


転ばぬ先の杖!?住宅購入時の火災保険の考え方前のページ

中古マンション、駅徒歩何分までなら購入したいですか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    物件探しの初期段階で行うべき、住宅ローン事前審査について!審査のタイミングをご存知ですか?!

    マイホームの購入を検討している方の中には、「自分がいくら住宅ローンで借…

  2. 不動産取引ガイド

    空き家率、過去最高の13.6%!何で空き家は増えるの?!

    〇なんと空き家率は過去最高の13.6%になりました!総務省が4月2…

  3. 不動産取引ガイド

    「築年数によってどれくらいのリフォーム費用が掛かるの?!」

    「築年数によってどれくらいのリフォーム費用が掛かるの?!」&n…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産の舞台裏:売主が語る物件の実像

    売主が居住中の物件は、売主様に直接確認できる絶好の機会と言えます。…

  5. 不動産取引ガイド

    不動産を「エバリュエーション」しましょう!

    「エバリュエーション(evaluation)」という言葉をご存知ですか…

  6. 不動産取引ガイド

    図面の見方

    建物にはいくつかの図面がありますが、図面には何が書かれているのかがわか…

  1. 不動産取引ガイド

    「築年数によってどれくらいのリフォーム費用が掛かるの?!」
  2. 不動産取引ガイド

    販売図面に記載の注意書きには注意
  3. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの融資残高が膨張を続ける日本!これからどうなる?!
  4. 不動産取引ガイド

    最近の住宅の窓!
  5. 不動産取引ガイド

    日本住宅工法にはこんなにあります。
PAGE TOP