お金・ローン・税金

住宅ローンを組む際に注意すべきポイント

住宅購入を検討しているが方から「転職を考えている」「夫婦で住宅ローンを組む予定」「健康診断で経過観察」といったご相談が時々あります。その際には下記のような注意すべきポイントがあるようです。

その1:転職後の住宅ローンは組みにくい

金融機関から住宅ローンを借入れる際には、最低勤続年数が定められています。通常は2~3年ですが、中には1年程度のところもあります。その一方で、最近は転職も珍しくなく、不用意に転職をした結果、希望していた住宅ローンが借りられないといったケースも見られます。

住宅ローンを借りる際、まずは「仮審査」を受けますが、正式な審査ではなく、あくまでも「借りられそうかどうか」を確認するためのものです。仮審査を受けた時点で、販売業者などから「住宅ローンは大丈夫ですよ。」「審査は通りそうですよ。」などと言われ、ひと安心するかもしれませんが、転職後の住宅ローン契約は本審査を行った後の流れとなり、多くの場合、厳しい結果となります。多少可能性がある住宅ローンとして、政府系金融機関が提供する「フラット35」がございます。私の場合は転職後、1年で「フラット35」の住宅ローンを組ませてもらった経験がございます。

その2:共働きだから必ず2人で住宅ローン控除を分ける場合は注意が必要です

共働き夫婦の場合、1人だと住宅ローン控除による税金が還付しきれない際に、夫婦2人で住宅ローン控除を受けることはよくあります。その際、2人で住宅ローンを組む場合のほか、収入合算をして住宅ローンを借り、それが「連帯債務」となる場合に住宅ローン控除を分けることができます。

その際に注意が必要な事として、あまり深く考えずに住宅ローン控除を夫婦で折半し、その後、子供が生まれて妻が仕事を辞めた場合に、分けたことが逆に仇となり、本来受けられた控除が減ってしまうというケースがございます。特に、妻が育児などで仕事を辞める可能性がある場合は、初めから夫1人で住宅ローン控除を利用できるようにしておくことは重要です。産休・育休中は所得も低くなり、住宅ローン控除で戻る税金が減ってしまう場合もございます。

その3:健康状態を隠して、住宅ローンを組む事は避けましょう

住宅ローンは、原則として健康でないと借りられないものです。民間金融機関の住宅ローンを組まれる際には、借入れ要件として、「団体信用生命保険(略:団信)に加入できること」という項目があります。団信とは、借入れた人が高度障害や亡くなった場合に支払われる保険金で住宅ローン残高を完済するためのものです。最近ではがんや三大疾病、その他所定の八疾病などで所定の状態になったときにも払込が免除される団信もあります。これにより、万一のことがあっても遺族に負債を残さずに済みます。

最近では、ワイド団信といって、持病があっても入れる団信もありますが、金利に+0.3%程度上乗せになるなどコストがかかります。

「フラット35」や一部の民間金融機関の住宅ローンに団信が任意になっているものもあるので、それを検討する手もあります。

持病がある、健康状態が心配というときは、まずは今の健康状態で借りられるかどうかから考えてみましょう。まずは団信付きで申し込んでみて、住宅ローンが借りられないときにワイド団信付きにするのか、団信なしでいくのかを考えます。団信なしでも、一般の保険に高額で入っているなどでリスクがカバーできるのであれば、問題はないと思いますし、やってはいけない事として、住宅ローンを組まれる際に、健康状態を偽って、申し込みをされる事だけは避けなければなりません。

以上、住宅ローンを組む際に注意すべきポイントについて、簡単ではありますが記載させていただきました。今後の参考にしていただければ幸いです。

法人営業部 犬木 裕

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

震度6強で倒壊の危険(東京都)前のページ

タワーマンションのメリット・デメリット次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    土砂災害のリスク

    長雨や台風がもたらす大雨による災害が毎年懸念されており、今年もすでに大…

  2. 不動産取引ガイド

    出るか、お宝!?~埋蔵文化財包蔵地~

    不動産取引の現場では、重要事項説明として関係法令についての説明がありま…

  3. 不動産取引ガイド

    土地の土砂崩れを防ぐ擁壁の種類

    大阪で崖の上の住宅が崩落したニュースが報じられていますが何が原因かはま…

  4. 不動産取引ガイド

    【住宅ローン減税3】築後年数要件とは?

    それでは住宅ローン減税の築年数に関する要件について説明します。耐震基…

  5. 不動産取引ガイド

    捨てられつつある街を選択するリスク

    1月1日の能登半島地震から一気に防災モードとなった雰囲気ですが、この年…

  6. お金・ローン・税金

    親からの贈与などなど。贈与税はいくらからかかるかご存知ですか?

    個人から現金や不動産などの財産をもらった人には、贈与税が課せられます。…

  1. 不動産取引ガイド

    災害の備えとしての「思い出の保存」について
  2. 不動産取引ガイド

    「マンションは管理を買え」って聞いた事ありませんか?!今後、マンション管理の認定…
  3. 不動産取引ガイド

    東京圏新路線!資産価値に直結する要素は、つぶさにチェック!
  4. 不動産取引ガイド

    「本気の街づくり」を目指した豊島区!
  5. 不動産取引ガイド

    よくある近隣トラブル
PAGE TOP