不動産取引ガイド

不動産売却時にかかる「譲渡所得税」の注意点

不動産を売却した場合にかかる税金として、「譲渡所得税」というものがあります。
「譲渡所得」つまり、不動産を売って得た「儲け」に対してかかる税金です。

3000万円で買った不動産が4000万円で売れれば、1000万円の利益を得たことになります。
この場合、利益の1000万円が譲渡所得ということになり、この金額に対して譲渡所得税がかかるのです。

一方で、同じく4000万円で売れたけど、買ったときは5000万円だった。1000万円値下がりしてしまった、という場合には、税金はかかりません。所得が発生していないからです。

どちらのケースでも、税金の申告の際に必要になるのが、買ったときの売買契約書です。
値上がりしたのか、値下がりしたのかの判断材料として、税金の申告の際には購入時の売買契約書を添付することになります。

今回ご相談を受けた方は、親から相続した不動産の売却でした。
相談者のお祖父様が不動産を購入したのは、80年以上前のことです。

現在の売却査定価格は4000万円ですが、買った当時の契約書を見ると200万円となっています。
物価が違うので単純計算はできないはずですが、税金の計算上は額面通りのものとなってしまいます。
そのため、3800万円が譲渡所得として計算されてしまうのです。

このように代々相続してきた土地などについては、売却時に思わぬ税金がかかってしまうケースもあります。

ただ、買った際の売買契約代金以外にも、売却にかかった費用など、譲渡所得から差し引くことができる費用もあります。
また、譲渡所得税を軽減する制度などもありますので、利用できる制度はしっかりと活用したうえで手続きを進めたいところです。
詳細に関しては、税務署や税理士への相談が必要になりますが、まずは不動産のプロに相談されるのが近道になるのではないでしょうか。

住宅購入後に賃貸不動産の購入を考えている方はご注意下さい!前のページ

2020年10月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    住宅購入には投資家の目線が必要

    多少都心から離れても…多少駅から遠くても…、かつて住宅の供給数が足りて…

  2. 不動産取引ガイド

    国内の土地の価格には、4種類あるのをご存知ですか?

    不動産を売買する際に気になるのが売買価格です。 国内の土地の価格には、…

  3. 不動産取引ガイド

    マイホームの購入で後悔したこと

    人生で最も大きな買い物、理想のマイホームを手に入れるために、貯蓄を頑張…

  4. 不動産取引ガイド

    お住まい購入のリスクを見抜く、不動産登記簿謄本の見方

    普段あまり目にすることのない不動産の登記簿謄本(今は登記情報といいます…

  5. 不動産取引ガイド

    誰だって間違える

    不動産登記簿を見ていると、たまに「更正」という文字が記載されていること…

  6. お金・ローン・税金

    大手住宅メーカー10社 中古住宅でも無料で瑕疵(かし)保険を提供開始

    先日、日本経済新聞の記事で、 「積水ハウスなど大手住宅メーカー10社に…

  1. 不動産取引ガイド

    赤字ローカル線に廃線圧力 その地域の不動産の資産価値は・・・
  2. 不動産取引ガイド

    不動産事業のデジタル化はまだ遠い
  3. 不動産取引ガイド

    東京圏新路線!資産価値に直結する要素は、つぶさにチェック!
  4. 不動産取引ガイド

    火災保険、築年数での制限緩和!!
  5. 不動産取引ガイド

    建築条件付き土地のメリットとデメリット
PAGE TOP