不動産取引ガイド

土地の利用を制限する地役権

お住まいの重要事項説明を受ける際に注意すべきチェックポイント解説、今回は地役権についてです。

他人の土地を通行する地役権

賃借権や地上権と同じように、土地所有者の利用が制限されてしまう権利として「地役権」というものがあります。

地役権の内容で代表的なものは、「通行地役権」です。

周囲を囲まれてしまい、道路と面していない土地の所有者は、道路に通じる周囲の土地の通行を認められるケースがあります。

通行地役権が設定されている場合には、そこを埋めてしまうような建物を建築できませんし、囲まれた土地所有者が通行することを妨げてはいけません。

送電線や地下鉄の設置を認める地役権

通行地役権のように土地の一部分というのではなく、土地の垂直方向、「上空●m~●m」や、「地下●m」の利用を制限する地役権もあります。

この場合、土地所有者は制限のある上空まで建物を建築することや、地下室などを作ることができなくなります。

こうした地役権は、送電線の設置や、地下鉄の建設などの際に設定されますが、この場合は権利金又は負担金が交付されるケースもあります。

所有権が制限される対価がきちんと払われることになりますので、一概に避けるべきとも言えません。

負担の内容を正確に把握しましょう

こうした地役権の内容は、重要事項説明の際に提示される登記事項証明書にきちんと記載されています。

土地のどこの部分が通路になっているのか、何m以上の建物を建ててはいけないのか、などは、登記事項証明書や地役権図面を確認することで把握できます。

 

将来的に建物を建築する予定がある方などは、建築計画にも大きく影響しますので、ご契約の際にはぜひ宅地建物取引士から正確な説明を受けるようにしましょう。

 

重要事項説明は、聞きなれない言葉が多く、難しいと感じてしまう方も多いと思いますが、その名のとおり重要な事項が含まれますので、気を付けて聞くようにしましょう。

不動産購入でご不安な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

大雨に警戒 屋内避難のポイントは?前のページ

2021年8月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    これからの時期、住宅の強風対策

    例年これからの時期、台風の影響などから暴風や竜巻などの突風が発生し、各…

  2. 不動産取引ガイド

    中古マンション購入時のリノベーション!事前に把握しておいて欲しい注意点?!

    新型コロナウイルスの影響により、様々な業界で景気後退が予測されています…

  3. 不動産取引ガイド

    無電柱化の推進!

    電柱化推進のための新たな取り組みが行われている事はたまにニュースなどで…

  4. 不動産取引ガイド

    お隣さんと土地を出し合い小道整備 地役権を活用しての街づくりとは?!

    先日、興味深い記事が日本経済新聞に出ていましたので、ご紹介したいと思い…

  5. 不動産取引ガイド

    土地をお探しの方は土地情報ロボと物件提案ロボの併用がお勧めです

    新築注文住宅をご検討の方は、土地をどうするかが大きな課題となります。不…

  6. 不動産取引ガイド

    消費税増税後の住宅の制度

    今回は消費税増税後に住宅購入された場合の制度をご案内いたします。…

  1. 不動産取引ガイド

    不動産の2022年問題、大都市部で宅地が大量発生する?!
  2. リニュアル仲介通信

    旧耐震マンションを 選択するリスクとは?
  3. 不動産取引ガイド

    マンション修繕積立金 3割超が資金不足であることをご存知ですか?
  4. 不動産取引ガイド

    快適なすまいづくりは照明から
  5. 不動産取引ガイド

    日本の家 なぜ資産にならないのか?
PAGE TOP