不動産取引ガイド

面積の違い

住宅購入時に「?」と思う場面は多々ありますが、その中でも新築の場合で面積が違う!
と思う場面があるかと思います。
これはもしかして詐欺?!と思ってしまうかもしれませんが、実際は詐欺でも表記ミスでも何でもないのです。

ということで今回は、新築戸建の購入時に起こった建物床面積の不思議です。
無事に新築戸建を購入することが決まったAさん。
契約時にきちんと説明を受け、売買契約書には「建物床面積92㎡」と記載されていました。

ところが、無事に融資の承認も下りて、鍵の引渡しを受ける段階になってみると、不動産登記簿には「建物床面積81㎡」となっていました!
10㎡近くも面積が減ってしまっています。
不動産事業者に騙されてしまったのではと、Aさんは不安になってしまいました。

以前の記事で、
~「カベシン」?「ウチノリ」?マンションの面積における2つの表現~

建物の面積には2種類の表記があるというご説明もしましたが、それにしても面積が違い過ぎます。

実は、今回のケースでポイントになったのは、「ガレージ」の部分でした。

売買契約時には、まだ登記簿が出来上がっていませんので、「建築確認済証」などに基づいて建物の面積をご説明します。
この「建築確認済証」には、ガレージの面積が含まれた表記となっていました。

ところが、不動産登記簿にはガレージの面積が含まれていない数値となっていたため、面積に違いが出てきていたのです。

不動産登記簿に建物の面積として参入するには、「三方向以上が壁などで囲われていること」という条件があります。
シャッター等がないガレージの場合で、壁の一部が柱などになっている場合には、
「三方以上が壁」という条件を満たさないため、不動産登記簿の建物面積には含まれないことになります。

建物の実質利用面積が小さくなったわけでもなく、もちろん不動産事業者に騙されたわけでもありません。
書類の表記上の違いだったことがわかりAさんも安心しました。

ただ、今回のようなケースでも、ガレージ部分を除いた建物面積が50㎡を下回ってしまうようなケースだと、住宅ローン減税など各種税制控除が使えないといった問題も出てきてしまいます。
不動産に関係する書類では、根拠となる法令や制度によって、表記面積や必要面積がバラバラになってしまっているのが現状です。

不動産購入時はわからない事が多いと思います。
ほとんどの方はご自身でも勉強されていたり、都度調べていらっしゃったりするかと思います。
わからないままで済ましておかないよう、信頼のおけるエージェントに確認して進めていくことも良いと思いますので、是非ご相談ください。

不動産取得税とは前のページ

終活で心配なこと・・・!「家じまい」よりも〇〇〇!次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    インナーバルコニーのメリットとデメリット

    インナーバルコニーにとても憧れをもっていますので調べてみました。…

  2. 不動産取引ガイド

    通勤時間で失うもの

    僕らは通勤で何を失っているのか?」というブログに感銘を受けました。…

  3. 不動産取引ガイド

    歩いて健康、光熱費もスリム!?

    最近電力自由化で色々な電気料金プランが発表されていますが、健康をテーマ…

  4. 不動産取引ガイド

    自由にリフォームができない!?~住民協定、建築協定~

    今回、お客様にご案内した物件の販売図面に、「住民協定あり」という記載が…

  5. 不動産取引ガイド

    IoTの取り組みで高齢者が快適に暮らす住まい!

    これは横浜市が取り組んでいる「未来の家プロジェクト」の話です。…

  6. 不動産取引ガイド

    コンセプト型のマンションの需要

    特定の入居者をターゲットにしたコンセプト型のマンションが徐々に普及して…

  1. かし保険

    【瑕疵保険⑧】リフォーム瑕疵保険
  2. 不動産取引ガイド

    建築士は罰則規定が背景にある職種です。
  3. 不動産取引ガイド

    2024年の住宅市場:価格動向から見る賢い不動産選び
  4. 不動産取引ガイド

    1年でもっとも住宅購入がしやすいタイミングをご存知ですか?住宅購入時の注意点とは…
  5. 不動産取引ガイド

    耐震改修済み物件はお得なのか
PAGE TOP