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間取りの変化 洗面と脱衣は分ける⁉

一昔前までは、お風呂に入る前の脱衣室に歯磨きや洗顔をする洗面コーナーが一緒になったスタイルが当たり前でしたが最近、洗面所と脱衣所が別になった間取りが人気になっています。

洗面と脱衣室を分けるスタイルを選ぶ方が増えている理由

■メリット

これまでは、洗面所と脱衣所が一緒になったスペースから、お風呂へという動線が一般的でした。

洗面所と脱衣所を独立した間取りが人気になってきた理由は、コロナ禍でお客様にも手洗いをしてもらう場面が増えたことひとつと考えられます。
脱衣所が一緒になっていると洗濯物など生活感が丸見えになってしまうことを回避するために、洗面所をドアで仕切って独立したスペースにする間取りが人気になっているようです。

また、子どもが小さい頃は一体型のほうが使いやすいものですが、成長後の子どもへの配慮として洗面所と脱衣所をわけたほうがいいと考える親も増えていると思われます。
分離していると、洗面・脱衣・入浴のシーンで、かち合うことを気兼ねせずに使えるのが最大のメリットになります。

■デメリット

脱衣所と洗面所をわけた間取りを採用したファミリーは満足していることが多く、デメリットと感じることが少ないようです。

それでも、一体型の間取りに比べると、より多くのスペースが必要です。
脱衣・洗面所では一般的に2畳前後のスペースになりますが、分離すると半分ずつということにはならず、それぞれ1.5畳程度が必要です。
その分、他の部屋が少しせまくなったり、費用がかかるという点がデメリットになります。

■家事室(ユーティリティ)のある間取り

ユーティリティ(Utility)とは、英語で「役立つもの」「有用性」という意味があります。
そして、住宅業界では「家事室」のことをユーティリティと呼びます。
家事室とは、主に洗濯やアイロンがけ、家計簿チェックなどの様々な家事作業を行うための部屋のことを言います。

■メリット

1.洗濯物をとりあえず置いておくスペースとして使えます。

乾いた洗濯物を一旦ソファーやリビングの床の上に置いてしまうと、たたんで片付けない限りそのスペースは使えなくなってしまうため
“とりあえず”置いておき、自分の好きな時間に洗濯物をたたむことができます。
また、家事室に洗濯物を干せるようにしておけば、雨の日の室内干しやそのまま家事室でたたむ作業もできますので、時間の短縮に役立ちます。

2.カウンターの上で作業ができる

アイロンがけや洗濯物たたみなどの作業を床の上でしようとすると、どうしても膝の曲げ伸ばしが多くなってしまいますので、足腰が弱くなってきたときには体に負担がかかります。
しかし家事室に広めのカウンターをつけることによって、アイロンがけや洗濯物畳みを椅子に座ってラクに行うことができるんです。
また、椅子に座って作業ができるカウンターがあるといいかもしれませんね。

3.収納スペースとしても使える

家事室を浴室の隣に作り、タオルや下着といった洗濯物を収納できる棚を付ければ、たたんだもの各部屋に持っていく手間を省いてそのまま家事室に収納することができます。
入浴する時にもリビングから部屋に下着を取りに行かずに家事室からサッと取りだして使えるので生活の時短ができます。

またキッチンの近くに配置すれば、食品庫(別名:パントリー)としても利用することができ、食品の買い置きにも役立ちます。

■デメリット

1.建物面積が大きくなる

本来なくても問題ない部屋を一つ追加することになりますので、その分の建物面積が大きくなってしまいます。
建物金額も上がってしまいますので、敷地面積や予算との兼ね合いに注意が必要です。

2.実際あまり使わない人が多いらしい

家事室を作ったけど、結局あまり使っていないとか収納スペースとしてあれば十分といった意見も多く見受けられます。
家事室に魅力を感じたとしても、本当に自分たちの生活に家事室が必要なのかどうかを考えてみるといいでしょう。

3.間取りづくりが難しくなる

■家族の生活をイメージして決定を!

メリット、デメリットを把握した上で、未来の家族の生活シーンを想像して、脱衣所と洗面所を一体型にするか、分離型にするかユーティリティを取り入れるかを決めることが大事です。
水まわりの間取りは、一度建ててしまうと簡単には変えられませんので、家族構成や子供の成長にも左右される生活シーンをイメージして考えることが必要です。

リニュアル仲介、渡辺でした。

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