不動産取引ガイド

住宅ローン「頭金なしで今購入」か「5年後に頭金ありで購入」どちらが正解?

「いつかはマイホームを」と考えたとき、多くの人はまず頭金を貯めようとします。
しかし、金利や家賃などの条件によっては、頭金なしで今すぐ購入したほうが有利になるケースもあります。
では実際に、「頭金なしで今購入」と「頭金300万円を貯めて5年後に購入」ではどちらがお得なのでしょうか。

■頭金がないと住宅購入は難しい?

住宅は大きな買い物のため、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。ローンには利息が発生するため、同じ金額を借りるなら、利息の負担が少ないほど有利です。
利息を減らす方法として、
・返済期間を短くする
・借入額を減らす
などがありますが、返済期間を短くするには毎月の返済額を増やす必要があり、現実的ではないケースも多いと思います。
そのため、無理なく利息を減らす方法としては、頭金を用意して借入額を少なくすることが一般的です。

■頭金はいくら必要?一般的な目安と注意点

頭金は一般に「購入価格の10~20%」が必要とされています。
6,000万円の住宅 → 600万~1,200万円
3,500万円の住宅 → 350万~700万円
さらに、忘れてはならないのが 諸経費 です。
新築マンション・注文住宅:3〜6%
建売・中古住宅:6〜9%
たとえば3,500万円の住宅なら、100万〜320万円の諸経費が必要になります。
つまり、3,500万円の新築マンションを希望する場合、
頭金700万円(20%)+諸経費約210万円=約910万円
が目安になります。

■どうやって頭金を準備する?

1.貯蓄できる金額から逆算する
毎月いくら貯蓄できるかを基準に、「何年でいくら貯まるか」を計算する方法です。計画的に貯めやすいのがメリットです。
2.購入時期を決めて逆算する
「5年後に買う」と決め、必要な貯蓄額から毎月の貯蓄額を割り出す方法。
ゴールが明確なため、ぶれずに貯めやすいメリットがあります。
3.貯まった金額で購入を検討する
無理しすぎず、ある程度貯まった段階で買える物件を探す方法。ストレスを減らせます。

■最近は頭金なし(フルローン)も増えている

今では頭金ゼロで住宅ローンを組めるケースが一般的になってきています。
しかも、条件次第では「頭金ありより頭金なしのほうがおトク」なこともあります。

■「頭金なし」と「5年後に頭金300万円」どちらが有利?

以下の条件で比較します。
物件価格:3,500万円
金利:年1.97%(全期間固定)
返済期間:35年(利率は2025年12月を参考にしています)
        頭金なし      頭金300万円
借入額       3,500万円      3,200万円
毎月返済額     115,403円      105,512円
返済総額   48,469,458円    44,314,785円
利息総額     13,469,458円    12,314,785円
確かに、「頭金300万円あり」の方が利息負担は少なくなります。
しかし、頭金を貯める5年間の家賃を含めて考えると、5年間、月10万円の家賃を払うと 600万円 の支出になり利息+家賃を合計すると下記の通りです。
        頭金なし     頭金300万円(家賃含む)
利息    13,469,458円      12,314,785円
5年分の家賃     0円       6,000,000円
合計    13,469,458円      18,314,785円
→ 頭金なしのほうが約485万円も負担が少ない結果になりました。

■5年後の金利上昇リスクも考慮

もし5年後に金利が上がれば、頭金を貯めても借入時の利息が増えてしまい、さらに不利になります。
金利を完全に予測することは不可能ですが、上昇傾向なら「早めの購入」が有利です。

■頭金を貯めるより「繰上返済」の方がさらに効率的

同じ300万円を5年後に繰上返済に回すとどうなるでしょうか?
借入額:3,500万円
金利:1.97%
返済期間:35年 → 繰上返済後は31年3カ月
         繰上返済なし  5年後に300万円繰上返済
頭金なし返済総額 48,469,458円            46,257,102円
頭金なし利息総額 13,469,458円            11,257,102円
→ 利息が約220万円減り、期間も4年以上短縮。
「頭金として待つ」より「早く買って繰上返済」で使った方が有利ということです。

■まとめ

・頭金がなくても住宅購入は可能
・家賃を払い続ける5年で大きな差がつく
・金利の上昇リスクを考えると、早めの購入が有利になりやすい
・仮に5年間で貯められるお金があるなら、繰上返済に回したほうが利息軽減が大きい
結婚・出産・進学など、住宅購入のタイミングは人それぞれです。
大切なのは「頭金の有無」ではなく、ライフプランに合ったタイミングでの購入です。
まずは無理のない月々返済額を把握するところから始めてみてください。
金融機関の住宅ローンシミュレーションを活用すると、より現実的な予算が見えてきます。
上記の計算した金額はあくまでも一般的なものとして算出しています。
年齢や家族構成、金融機関別の様々な商品がありますのでローン関しては金融機関にご相談ください。
リニュアル仲介の渡辺でした。

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