お金・ローン・税金

住宅ローンを組む際にやってはいけない5つのポイント?!

不動産購入時によく現在の家賃の支払いと、住宅ローンの返済金額が同じような場合がございます。その際に、どうせ同じような金額ならば、「買った方が得だよね?!」と判断し、住宅購入に走る方がいます。その際には下記の注意ポイントがございます。

ポイント1: 購入後のコストが加味されていない

住宅を購入すると、毎年の固定資産税・都市計画税や、マンションならそれにプラスして、管理費・修繕積立金、駐輪場代、駐車場代などが掛かります。賃貸で借りていた物件よりも広くなったりして、水廻りの水道代、床暖房など今までなかった機能が付くことで光熱費が上がってしまう事が良くあります。

戸建て住宅の場合は、マンションのように管理費・修繕積立金としての支払いはないものの、定期的なメンテナンスは必要なため、資金は貯蓄しておくようにしたいものです。

その為、購入後にかかるコストがある分、毎月の返済額は家賃よりも下がらなければ、家計への負担はむしろ大きくなります。ただし、賃貸の場合と違い、資産価値の下がりにくい不動産を所有していた場合は、売却後の現金化により、住宅ローンの元金部分が貯蓄されていた状態と同義になります。

ポイント2:ボーナス払いも加わった場合、本当に「家賃並み」の支払いかを判断する

資金計画をする際に、ボーナス払いをする予定で組まれた場合は、「毎月の返済額」は家賃並みであっても、別途ボーナス払い分も月平均に換算すれば家賃を超えてしまいます。不動産事業者によっては、毎月の支払いが家賃とあまり変わらないように見せる資金計画表を作る方もいて注意が必要です。予定していたボーナスがもらえず、当初の予定と計画が狂ってしまう方もいます。

ポイント3: 変動金利を選択した場合は当初の返済額が変わるものと心得る

現在の低金利時代では固定金利の住宅ローンを選択する事をおススメしていますが、変動金利を選択した場合は、将来的な金利上昇リスクに耐えられるかを確認する事は非常に重要です。返済額が125%にアップしても返済し続けられるかを確認しましょう。

マイナス金利の状況だと当面は心配ないかもしれませんが、中長期では金利上昇局面もあるはずです。

また、政府系金融機関が提供するフラット35は『S仕様』という省エネや耐震性など所定の住宅の技術基準によって一定期間金利を引下げられる仕組みがございます。このタイプを利用するなら、5年後もしくは10年後に返済額がアップすることを頭に入れておく必要があります。

ポイント4:生活予備費を残さずに住宅ローンを借りるのはNG

最近の住宅ローンは、頭金を1割入れると金利が優遇されるものが多くなっています。ところが、中にはできるだけ小さなローンを組もうと手元の生活予備費も残さずに頭金に入れてしまうケースがあり、あとあとの生活を苦しめる事になる場合はございます。

金利は低くても、事務手数料や保証料が借入額の一定割合でかかるタイプだと、少しでも借入額を小さくしようという意識が働き、生活予備費がなくなってしまうという場合があります。生活予備費は必ず一定額を残しておきたいものです。

目安としては、会社員で生活費3~6カ月、自営業で6~9カ月分ある事が望ましいようです。会社の倒産やリストラ、家族が病気になった、事故に遭った、親が倒れた、自然災害に遭ったなど、何があるかはわかりませんので、ある程度は手元に置いておく事をおすすめ致します。

ポイント5:住宅ローンの金利選択は慎重に判断する

現在、低金利で住宅ローンが組める時代ではありますが、金融機関は低金利での貸し出しだと儲けがかなり厳しい為、住宅ローン事業から撤退するような機関も出てきています。その為、低金利時代では金融機関は固定での住宅ローンより、将来的に金利上昇に際して、プラスに変更できるよう、変動金利を進めてくる場合も考えられます。不動産購入に際してはこの住宅ローンの選択は非常に重要であり、慎重に判断する必要がございます。

現在を「金利下降期」と捉える人にとっては変動金利を利用する合理性はありますし、今の金利をほぼ最低水準と捉えるのであれば、低い金利で固定できる固定金利で借りるのが合理的です。考え方で選択は異なります。

変動金利を利用する際には、金利が動いたときにどうするかを決めて利用する必要があります。単純に「金利が低いから変動金利」という理由だけで利用してしまうと、急な金利の変動時(上昇時)に対応に困ってしまいます。

いずれにせよ、住宅ローンと上手く付き合い、ご納得のいく住宅購入に繋げていただければ幸いです。

法人営業部 犬木 裕

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