不動産取引ガイド

お金を払っても売れない物件

ネットで面白い記事を見つけました。

「マイナス180万円で購入します」越後湯沢リゾートマンションはもはや「腐動産」に
https://bunshun.jp/articles/-/11166

以前にも人口減で管理・修繕が成り立たないマンションの事例をご紹介したことがあるのですが、当時は販売価格10万円ですが、滞納分が数百万円というような状況だったのですが、いよいよ不動産の売却なのにお金を払わないと引き取ってもらえない状況に陥りつつあるということでしょうか。

記事の事例は越後湯沢のリゾートマンションです。管理費・修繕積立金・固定資産税を考えると、180万円もらっても正直手を出したくない物件です。
問題の根源は人口減に集約されるので、記事にあるように外国人に買っていただくしか解決策はなさそうですが、すでに都心の湾岸マンションで発生しているように、外国人の居住者が多いマンションは、管理組合の機能不全が懸念されます。
社会としての準備が足りないまま、移民を受け入れるという大きな問題に巻き込まれていく形となります。
普通に暮らすための家が欲しい消費者は、このような物件は選んではいけません。
生活の基本となる住宅は、物件の善し悪しより前に、「どの街を選ぶか」が大切です。

将来に渡って人が集まり続ける街を選ばないと、20年後~30年後にお金を払っても引き取ってもらえない状況も起こり得るのです。
特にマンションは共有物となるので街選びが重要です。越後湯沢のリゾートマンションは越後湯沢であることや、リゾートマンションであることが原因でなく、都市部であっても条件の悪い街では十分に起こり得る事象です。

これから顕在化する住宅問題は、バブルの頃に家を買った、60歳以上の世代で発生します。後期高齢期の介護問題や、亡くなった後の相続問題で、不動産の処分が必要になりますが、売るに売れない物件がたくさん出てきます。
人口の構成を見れば一目瞭然です。60歳以上の世代の家を購入する一次取得世帯があまりに少ないからです。特別な家でないと売れないとまでは行きませんが、普通の家でも売れ残るのは容易に想像できます。

人口減・少子高齢に起因する住宅問題は、今後ますます顕在化してきます。
今言えることは、これまでの常識で住宅購入を判断してはいけないということです。
住宅を人生最大の負債にしないためには、家の買い方が重要なのです。

電球の色の話前のページ

中古住宅の取引は「仲介会社選び」が最も重要です次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. お金

    住宅ローンを契約する前に知っておきたい審査について

    早いもので平成最後の月末に入りました。先日、新元号「令和(れいわ)」の…

  2. 不動産取引ガイド

    空き家を再生する「フリッパー」 空き家改修費用の3分の1を補助で・・・?!

    国土交通省は空き家の活用に向けた支援策を拡充する事が決まりました。企業…

  3. 不動産取引ガイド

    買った家に一生住み続けなければならないって重たくないですか?

    これから家を買う方は、私たちの親世代では選択できなかった、人生を有利に…

  4. 不動産取引ガイド

    【動画】インスペクション直後の現場レポート

    先日とある戸建てを内見し、購入を具体的に検討していきたいといった段階で…

  5. 不動産取引ガイド

    大人気『ポケモンGO』、AR技術を活用したアプリが不動産業界を変革する?!

    スマートフォン向け人気ゲーム「ポケモンGO」がブームです。AR…

  6. 不動産取引ガイド

    不動産取得税の注意点

    住宅を購入し新しい生活に慣れてきたころに突然送られて来るのが不動産取得…

  1. 不動産取引ガイド

    2017 年11月度の不動産相場
  2. 不動産取引ガイド

    太陽光発電とエコキュートと併用
  3. 不動産取引ガイド

    住宅購入後はグランピングで楽しむ?!
  4. お金・ローン・税金

    住宅ローンの新規契約で、マイナンバーが使えるようになる?!
  5. 不動産取引ガイド

    「所在」は住所とは違う?
PAGE TOP