不動産取引ガイド

地震による火災に備えた家づくり

大地震があった際に、まず一番に想定される危険は建物の倒壊です。

倒壊した建物に押しつぶされてしまったり、閉じ込められてしまったりと、真っ先に想像される地震被害ですね。

そして次に注意しなければならない危険のひとつが、地震によっておこる火災です。

夕方など、食事の支度をしている時間帯に地震が起こると、火災が発生してしまうケースも多くなります。

地震による倒壊については、建築基準法が改正され耐震基準の見直しや、古い建物についても耐震診断による耐震基準適合証明書の発行など、倒壊しにくい建物についての見極めが可能になってきました。

一方で、火災(失火)についてはどのように判断すべきでしょうか。

もちろん、地震が発生したら火を止める、という各自の意識の徹底も必要ですが、併せて行政でも「防火地域の指定」という施策をとっています。

住宅密集地や公共施設の近辺を「防火地域」に指定することで、燃えにくい街づくりを目指しています。

この燃えにくい街づくりには、「防火地域」「準防火地域」「22条区域」というように、必要とされる耐火レベルに段階を付けることで、建築主の負担と街全体の安全性のバランスを図るようにしています。

「22条区域」とは、建築基準法第22条指定区域というエリアで、防火地域や準防火地域ほど厳しい耐火基準を求められませんが、屋根についてのみ耐火性能を求める、というエリアです。

火災が発生した場合には、吹き上がった火の粉によって延焼を引き起こすことがあるため、こういった規制がなされています。

購入を検討する住宅が安心して住めるエリアなのか。

建物の性能と街全体の安全性をトータルで判断することが大切になってきます。

耐震性能やハザードマップ、街全体の危険度など、注意すべき点は多岐にわたりますが、信頼できるエージェントとともに、納得のいくお住まい探しを進めていただければと思います。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

不動産は簡単には捨てられない前のページ

「住宅ローンの審査ってどのくらい厳しく見られるもの?」次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    建設工事の式典(上棟式)

    前回に引き続き今回は上棟式です。上棟式にについて地鎮祭…

  2. 不動産取引ガイド

    自宅は夢のマイホームではなく、「運用資産」と考えるべき

    最近お客様に案内する際には、「自宅といえども、売却することを考慮した方…

  3. 不動産取引ガイド

    不動産購入時 価格交渉する前に知っておきたい事

    エージェントの中田です。今回は、不動産購入時の価格交渉についてお話…

  4. 不動産取引ガイド

    老朽マンションの建て替えを促すための『敷地売却制度』とは?!

    国土交通省は老朽マンションの建て替えを促すため、敷地売却のルールを緩和…

  5. 不動産取引ガイド

    困ってしまう前の住人宛ての郵便物

    中古の不動産を購入した場合のよくあるお困りごとに、「前の住人宛ての郵便…

  6. 不動産取引ガイド

    売る時に価格が下がりやすい物件とは?(駅から遠いマンション)

    不動産の資産価値は「立地」が全てと言われます。特にマンションの場合…

  1. 不動産取引ガイド

    “見えない川”に注意!暗渠(あんきょ)の見つけ方≪後編≫
  2. 不動産取引ガイド

    まさかの備えに自宅の標高を把握しておきましょう!
  3. お金・ローン・税金

    中古住宅がもっと身近に!「平成30年度税制改正要望(国土交通省)」
  4. 不動産取引ガイド

    スーパーランキング!
  5. 不動産取引ガイド

    不動産取引がスムーズに!?噂のフィンテックの恩恵とは
PAGE TOP