不動産取引ガイド

あなたの家、キャパオーバーですよ!

リビングに物が散乱している状態を「生活感が溢れる」と表現します。
この溢れるが的確な表現で、まさにその空間のキャパシティーをオーバーしているのです。
多くの家で生活感が溢れていることから、残念ながら日本の住空間は今の生活に即したキャパシティーを有していないようです。
(わかりやすく言うと床面積が狭すぎるのですね)

住空間のキャパシティという考え方は非常に重要です。

平均的な住宅の一次取得者層(初めて家を買う方)は35歳±5歳と言われます。まだ子どもが小さな頃です。
将来子どもが大きくなった時に子供部屋にするために、購入時には必要ではない、少し大きめの間取りの家を買うのが一般的です。

ここで問題が発生します。
本来この家のキャパシティは、子どもが大きくなった時のことを標準として考えるべきですが、子どもがまだ小さい時には、空間が余ってしまうわけです。
余裕ができると、埋めたくなるのが人情で、余分にモノを貯めこんでしまうわけです。

当然、子どもの成長とともに、子どもが必要とするモノが増えてきますから、ある時点を境に家の収納スペースの問題が顕在化してしまうのです。

日本の家が狭いのは今に始まったことではありません。
そして多くの家庭で生活感が溢れかえっているのも事実です。
ですが、ほんの一部、非常にすっきり生活されている家庭も存在します。

家が広いから?奥様が几帳面だから?違うと思います。
すっきり生活されている家庭は、その空間のキャパシティーをよく理解されているのです。
キャパシティが理解できれば、許容量を超えてモノは増やさないですし、整理整頓の工夫が生まれます。

広い家になったらすっきり生活できると思っている人、多いんじゃないですか?
ハウスメーカーのモデルルームのような家に住んだとしても、
そういう人は、そのうち広い家さえも生活感で溢れかえってしまうものですよ。

よい住空間は、そこに住まう人が創ります。
ドラマのようなオシャレな住空間が欲しい人は、まずは家のキャパシティを理解するところから始めましょう。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

秋の夜長の照明前のページ

引越し後に、数十万円の『税金の請求』が・・!?次のページ

ピックアップ記事

  1. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    住宅購入時に、「住み替え」という選択肢を残しておく!

    昔は、住宅を購入すると一生そこに住むという意識が強くありました。「…

  2. 不動産取引ガイド

    賃借権と地上権の違いとは?

    お住まいの重要事項説明を受ける際に注意すべきチェックポイント解説、今回…

  3. お金

    修繕積立金不足のマンションが多いって事をご存知ですか?!

    修繕積立金は屋上の防水、外壁タイルの貼り換え、エレベーター設備の交換と…

  4. 不動産取引ガイド

    雷が家におちたらどうなるの?

    最近ゲリラ豪雨や突風、雷などの被害がニュースでよく見かけます。…

  5. 不動産取引ガイド

    地震・雷・火事・オヤジ

    今ではあまり表現されなくなりましたが、怖いものの象徴として挙げられます…

  6. 不動産取引ガイド

    修繕積立金の金額

    住宅購入する場合、毎月発生する住宅ローンとマンションの場合は修繕積立金…

  1. 不動産取引ガイド

    建物状況調査に関する少し深い情報 その2
  2. 不動産取引ガイド

    不動産購入の流れとスケジュール感:初めてでも安心して進められる完全ガイド
  3. 不動産取引ガイド

    耐震基準適合証明書と住宅ローン減税 【2×4の場合】
  4. 不動産取引ガイド

    どの面積が正しいの?~マンションの床面積~
  5. お金・ローン・税金

    火災保険の家財の保険金額の設定方法はどう決定すれば良いのか…
PAGE TOP