不動産取引ガイド

本当の価値を見極める ~不整形地の資産価値~

土地の形には、正方形、ほぼ正方形、長方形、ほぼ長方形、台形、ほぼ台形、旗竿地、不整形地といったものがあります。

この中で、広義の不整形地と呼ばれるのが「旗竿地」と「(狭義の)不整形地」です。

「旗竿地」とは、字のごとく「竿」のような通路部分の奥に「旗」となる宅地分が広がる形状の土地です。

土地面積があっても、間口が狭いため出入りに支障があったり、陽当りや風通しに難のある物件もあります。

「(狭義の)不整形地」は、これ以外の分類に該当しない、三角形だったり、一言で表現し難い形状の土地を指します。

こうした土地の価値は、どのように計算するのでしょうか。

今回は「旗竿地」の計算方法を調べてみました。

一般的な土地は、周辺価格相場や、公示地価、路線価などの㎡単価を基準に算出します。

ただこの計算方法では、整形地の価格算定には使えますが、不整形地の場合にはそのまま利用することができません。

こうした場合に参考になるのが、路線価算出時に用いられる補正率の考え方です。

国税庁のHPによると、たとえば「旗竿地」の場合、「奥行長大補正率」「間口狭小補正率」「がけ地補正率」といった補正率が利用できます。

「奥行長大補正率」とは、間口に対して奥行のある、いわゆるウナギの寝床のような地形の場合です。

こうした地形は土地の利用価値が下がる、ということで補正率が適用されます。

「間口狭小補正率」についても、間口が一般的な土地よりも狭いため、通行や建築工事などに支障があり、利用価値の低下が認められます。

そして「がけ地補正率」とは、旗竿地のように想定される整形地から欠けている土地部分がある場合に、価格を調整させるための補正率です。

それぞれの計算方法には細かい条件があり、一言で説明することは困難ですが、一般的な住宅地の場合、旗竿地の路線価は整形地の2~3割ほど価値が下がる計算になるようです。

この考え方を参考にすれば、旗竿地の取引価格についても周辺相場の2~3割減として算定することも可能かと思います。

ただ、この計算方法はあくまでも参考値にしかなりません。

実際には、間口が2mの旗竿地と3mの旗竿地では、資産価値は全く変わります。

間口2mの場合、車を止めてしまうと人が通り抜けることも困難になります。

一方で、間口が3mあれば、車を止めた横を自転車で通り抜けることも可能です。

土地としての資産性について、どちらが高いかは言うまでもありません。

また、旗竿地の「竿」と呼ばれる通路部分についても、隣地の通路部分と隣接していれば、面積以上に開放感のあるケースもあります。

もし気になる物件が見つかりましたら、お気軽にエージェントまでご相談ください。

経験豊富なエージェントが、具体的な条件を精査のうえ、「買主の立場に立って」アドバイスをさせていただきます。

ぜひリニュアル仲介サービスをご利用ください。

人生100年の住宅購入術 戸建て住宅の修繕費はどれくらい掛かるのか?!前のページ

快適なインテリア空間を演出する照明計画次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    ヴィンテージ住宅の条件

    築20年から40年の実例と専門家への取材をもとにヴィンテージ住宅の条件…

  2. 不動産取引ガイド

    購入する物件が決まった後にすること その7(残金決済について)

    物件探しを行い、内見を進めていき、色々比較した中で『よし、この物件を購…

  3. 不動産取引ガイド

    新型コロナウイルスの影響により、住宅・マンションの不動産価格はどこまで下落するのか?

    新型コロナウイルスの影響により、世界経済がかつてないレベルで毀損してし…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産購入の際に注意すべき担保評価の落とし穴

    不動産購入を検討する皆さん、担保評価の減少が起こる可能性のある物件の特…

  5. 不動産取引ガイド

    マイホームは購入?それとも賃貸?

    私の子どもたちも、賃貸の更新時に家賃が上がることから、マイホームの取得…

  6. お金・ローン・税金

    育休中でも住宅ローンは契約できる?

    住宅購入を考えている方の中には、産休・育休に入られるタイミングの方もい…

  1. 不動産取引ガイド

    梅雨入り間近!この季節だからできる、土砂災害リスクを確認しておきましょう!
  2. リノベーション

    防音室を実現するための不動産購入
  3. マンション

    鵜呑みにして大丈夫?!「耐震改修済みトラップ!」
  4. 不動産取引ガイド

    家を買うなめに知っておくべき「下水道システム」の違い
  5. 不動産取引ガイド

    マンションはお部屋だけでなく建物全体を比較検討してください
PAGE TOP