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戸建ての修繕計画と修繕積立金について考える

今回は、戸建住宅の長期修繕にかかる費用についての話です。

マンションをお持ちの場合だと、毎月の管理費・修繕積立金が引落しとなっている方が多いかと思います。

一方で戸建住宅にお住まいの場合には、毎月のこうしたランニングコストがかからない分、不測の出費として修繕費用が発生してしまうケースがあります。

戸建住宅の長期修繕で発生する項目

戸建住宅の場合だと、修繕箇所としては「壁・外壁」、「屋根」、「トイレ」といった箇所が上位にくるようです。

戸建住宅の屋根や壁を修繕する場合には、足場を組む必要があります。

修繕にかかる費用については、平均約100万円といった計算になります。

もし屋根の修繕を検討されている場合には、併せて壁の修繕も行ってしまった方が、トータルとしては費用を抑えることができるかもしれません。

戸建住宅の修繕の時期

修繕の時期についても、平均すると15~20年で1回という回数が多いようです。

ただ、この数字の中には、実際に雨漏りがしてしまったために修繕した、というように、予防ではなく被害への対処とする工事も含まれます。

建物の維持管理及び予防という面から考えると、もう少し短いスパンで考えた方がよさそうです。

自主的な修繕積立金制度

仮に安心な長期修繕計画の設計を検討した場合、15年に1回のペースで200万円の修繕費が出費される、とスケジュールしてみます。

毎月1万円を積み立てていけば、15年後には180万円を用意することができます。

実際に戸建住宅にお住まいの方で修繕積立金を用意している方は1割未満のようですが、建物の維持管理の面からは、賢い選択かと思います。

また、積立をしない場合でも、15~20年くらいで約200万円の費用が発生する、という認識は持っておきたいものです。

戸建住宅の購入を検討される場合でも、最後に修繕を行ったのはいつなのか、現時点で心配している箇所はあるのか等も、しっかりヒアリングしたうえで、実際に物件をチェックするようにしましょう。

こうした注意事項を全てご自身でチェックすることは難しいこともありますので、その場合には信頼できるエージェントと一緒に物件の見学に行っていただければと思います。

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