不動産取引ガイド

住宅購入前に考える?!子育て後の住まいの選択肢!

■「一生に一度の大きな買い物」と考えての行動には注意が必要?!

住宅購入を検討する際には、常に「買う」ことが頭をよぎり、将来の事は考えにくい方が多いです。それも、「一生に一度の大きな買い物」と考えての行動が多い為、購入する事に注力しがちです。そこで今回は住宅購入後、それも子育て後の住まいの選択肢について解説をしたいと思います。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。

子どもが独立して子育てを終え、夫婦2人の生活が始まるという場合に考えたいのが今後の住まいをどうするかという事です。例としては、「子育て後の自宅は大きすぎる」と考えますが、住み慣れた自宅にそのまま住み続ける方が多いという事です。また、持ち家の場合は長期的に必要な修繕にどう備えるかが大切になります。一般的な戸建て住宅(延べ床面積116平方メートル、木造2階建て)の築後30年間の修繕費は合計で約900万円掛かるという試算もあり、子育て後の自宅にその金額を投資し続ける事に頭を抱える方もいます。勿論、修繕を先送りしすぎると余計にお金がかかる為、早めに対応したほうが良いのも事実です。

分譲マンションも築30~40年たつと給排水管や機械式駐車場の更新など大規模な修繕工事が必要になります。通常は長期修繕計画に基づいて費用を積み立てていますが、実際に工事になると費用が計画を上回ることもあり、金融機関からの借入で対応するケースもあるようです。

■子育て後の住まいの選択肢は色々ある?!

賃貸住宅なら、長期修繕費の心配はない代わりに家賃を払い続ける必要があり、住む場所にもよりますが、毎月10万円前後、賃貸の更新の際には約1ヶ月分の更新料等が掛かりますので、年齢を重ねれば、その負担は大きなものとなります。また、高齢になると新たに賃貸住宅を借りるのが一般的に難しくなりやすいという問題もあります。

最近では高齢期は自宅に住むほかに、シニア向けの住宅や施設に入居する選択肢もあります。一つはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)だ。民間事業者が自治体に登録して運営する賃貸住宅で、バリアフリー設計、安否確認サービスなどが特徴です。ほとんどのサ高住は食事も提供し、60歳以上か介護保険制度の要支援・要介護の認定を受けた人が入居できるのが特徴です。

ちなみに、ライフルシニア(東京・千代田)が運営する高齢者施設検索サイト「LIFULL介護」によると、全国のサ高住の入居時費用の相場は19万8000円、入居時費用ありの場合の月額費用の相場は16万8000円。東京都内の相場でも入居時費用32万円、月額費用が21万1000円との事です。その為、この選択が出来る方は若いうちに、資金を貯蓄し、資金的に余裕がある方の選択肢とも言えます。

■大きなご自宅に住み続けるよりも、自宅サイズを変えて子育て後の生活を楽しむ?!

個人的にはある程度、その人の健康状態にもよりますが、大きめのご自宅は売却をして、60㎡前後のマンションに引っ越しをして、それも引っ越し時にある程度のリフォームをして最新の設備環境で老後生活を過ごしていく事が良いのではないかと思っています。

勿論、資産価値がある程度ある不動産の売却が前提となりますが、不動産購入時に「一生に一度の大きな買い物!」と考えすぎず、子育て後の住まいは自宅サイズを変えて、上手く不動産と付き合う事も選択肢としてお持ちいただければ幸いです。

今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

土地を捨てる方法とは前のページ

賃貸VS購入論争 老後を考えると購入一択です次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    恵まれた立地条件を活かしての大規模リノベーション

    近年の住宅事情では既存団地の老朽化が進み、こうした物件の行く末が問題視…

  2. 不動産取引ガイド

    売る時に価値が下がりやすい物件とは?(嫌悪施設編)

    どんな物件を購入すると、そのご資産価値が下がりやすい可能性があるのでし…

  3. 不動産取引ガイド

    激甚化する水害と住まい選び

    一般社団法人日本建築学会は「激甚化する水害への建築分野の取組むべき課題…

  4. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの保証料?!

    住宅を購入する時には何かとお金がかかってしまうかと思います。登記費…

  5. 不動産取引ガイド

    マンションの火災保険,共有部分ってどうなってるのかご存知ですか?

    マンションの火災保険で個人で加入出来る部分は専有部分(居住部分)のみで…

  6. 不動産取引ガイド

    もう少しリアルに人口減少問題を考えてみる

    国立社会保障・人口問題研究所 所長の森田朗氏の記事が面白かったのでご紹…

  1. お金

    不動産投資家 4割が失敗を経験?
  2. 不動産取引ガイド

    稼ぐ都市農家が増えている?!しかし、不動産の『2022年問題』が・・・!
  3. 不動産取引ガイド

    便利ツールを活用した効率の良い物件探し
  4. デザイン

    古屋が持つ重厚感。 新築にはない既存住宅ならではの味わいを活かす。
  5. 不動産取引ガイド

    トイレは10年で大きく進化する!2025年最新トイレ事情とスマート化の波!
PAGE TOP