不動産取引ガイド

不動産の所有者の確認方法

戦争などの影響もあり、円安が懸念される情勢ですが、一方で不動産価格の上昇も止まりません。

海外の資産家にとっては、価格の上がった今でも日本の不動産は投資の対象とみられているケースも多いようです。

外国人が不動産を購入した場合の名義

外国人が日本の不動産を購入した場合も、日本人と同様に登記簿にその住所・氏名が記載されます。

ところが、不動産登記法では、登記簿に記載される所有者の住所・氏名に英語を用いることが認められていません(個人の場合)。

そのため、例えば「Michel」さんが購入した場合でも、「ミシェル」や「ミッチェル」または「マイケル」など、任意のカタカナ記載で登記簿に記載することになります。

この場合のカタカナ表記に証明文書などは必要ありませんので、完全に任意の記載になり、法務局での確認はありません。

売主の同一性確認について

そしてこの不動産が売却に出された場合、登記簿に記載された持ち主は「マイケル」さんとなっており、売主として名乗り出た方は、本人確認資料として「Michel」の記載があるパスポートを提出することになります。

この場合、所有者と売主が同一人物であるという確認を取ることは非常に困難です。

もちろん住所氏名以外にも、権利証の提出や、固定資産税の納付状況などから総合的に持ち主であることを判断することになるのですが、一番大切な氏名の一致が取れないという状況は早急な改善が必要だと感じます。

一方で、所有者が会社などの法人の場合には、英語表記が可能となっています。

法人と個人で、表記方法を区別する必要性はあるのでしょうか。

個人についても、英語表記による記録が可能とする議論も必要と感じます。

また、外国人の氏名表記に限らず、日本人でも同姓同名といった場合の混乱もあります。

こうした事態に備え、所有者の情報として「生年月日」を法務局の内部情報として登録する、といった議論もされているようです。

今後はますます外国人の方が国内の不動産を保有するケースは増えていくことが予想されます。

取引の現場がスムーズに行われ、余計なリスクを心配する必要がない制度の設計が待たれますが、同時に、リスクにきちんと目を配ったプロによる目利きが必要となります。

現状のシステムを踏まえたうえで、安全な取引を案内してくれる不動産エージェントと二人三脚による取引を目指しましょう。

大雨による河川の氾濫前のページ

住宅性能表示制度とは次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    地図に現れた「細い土地」

    先日、取引をお手伝いさせていただいた方の物件調査をしていた際、現地と隣…

  2. 不動産取引ガイド

    売る時に資産価値が下がりやすい物件とは(防犯上心配な1階の住戸)

    マンションでは、1階というだけで、物件選びの対象から外される場合が多く…

  3. 不動産取引ガイド

    古さを武器に! リフォームで資産価値を守る中古住宅購入法

    住宅購入を考える際、多くの人が新築を夢見るものです。新しい家の香り、ピ…

  4. 不動産取引ガイド

    購入する物件が決まった後にすること その4(住宅ローン 本審査申込)

    物件探しを行い、内見を進めていき、色々比較した中で『よし、この物件を購…

  5. 不動産取引ガイド

    「建物のオバケ」が見つかった?

    本当はそこには存在しないのに、土地のうえに何かある!?今回は、…

  6. 不動産取引ガイド

    立地適正化計画 浸水想定域に住宅誘導?!立地適正化計画 浸水想定域に住宅誘導?!

    2018年9月2日の日本経済新聞の朝刊に『浸水想定域に住宅誘導 まち集…

  1. 不動産取引ガイド

    家の買い替えする場合のポイント ① 買い替えの流れは2種類ある!
  2. 不動産取引ガイド

    賃借権と地上権の違い
  3. 住宅の資産性

    冬場の電力供給不足から考える不動産取引への影響
  4. 不動産取引ガイド

    中古+リノベを狙うなら2000年5月以前がお勧めです
  5. お金・ローン・税金

    知識の有無で数十万単位の税額が変わる!税金の特例適用早見表
PAGE TOP