不動産取引ガイド

お仏壇の置く場所はどこ

最近の住宅は和室を設ける事が少なくなってきている傾向にあるかと思います。
そうした場合、お仏壇を置く場所というのはどこになるのでしょうか。
そもそもお仏壇を置く場所の『仏間』の定義ですが、仏壇や位牌を安置し、先祖の供養やお参りをする神聖な場所として住まいの中に取り入れられてきました。
伝統的な日本の家屋において仏間は独立した空間でしたが、近年は昔に比べて家がコンパクトになったこともあり、仏壇を置くスペースのみを指して「仏間」と、間取りに表記することが多くなりました。

では、仏間はどこに設ければ良いのでしょうか。
仏間をつくるときに気をつけなければいけないのが方角です。仏壇の正面が北を向くのはタブーとされています。そのため、家を建てる際は仏壇の正面が南・西・東のいずれかを向くように仏間をつくります。
北向きに仏壇を置くのがよくないとされる理由は、中国の習わしに由来します。位の低い人は北を、釈迦など位の高い人物は南を向いて座る風習があったため、仏壇の配置もこれに習い、先祖を敬う意味で正面が南の方位を向くのがよいといわれています。
また、極楽浄土がある西向きや、日が昇る方位の東向きを縁起がよいとする考え方もあります。宗派によって仏壇の配置が決められていることもあるため、仏間をつくる前に確認しておいたほうがよいでしょう。

また、仏間の床は仏壇の重量に耐えられる仕様にする必要があります。仏壇の重さは素材や大きさによって異なりますが、コンパクトなもので15kgほど、一般的なもので50〜70kg、大型の100kg以上の仏壇もあります。床が仏壇の重量に耐えられないと、床が凹んでしまったり仏壇が破損する恐れがあります。重量のある大きな仏壇を置く場合は、建築前の打ち合わせで伝え、その仏壇に適した仏間をつくってもらうようにしましょう。
また、仏壇の多くは木製のため、部屋の温湿度管理も重要になります。ジメジメした空間ではカビが発生する可能性も。また、直射日光も仏壇にダメージを与えるので注意しましょう。

最近では和室が少なくなってきていますが、ご先祖様の場所という事ですので、是非ご自宅に将来的に取り入れるよう、購入時に検討されてみてはかがでしょうか。
今すぐには必要がない場合でも、収納スペースとしても活用できるようにリフォーム時に念頭においておくだけで、将来的に新たにリフォーム等も不要となるので、住宅購入の際やリフォームの際にはご検討ください。

2024年3月 フラット35金利のご案内前のページ

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及率ランキング!今後の住宅購入の参考に!次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. 土地価格の相場を知る方法
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    空き家対策に何ができるのか?

    全国の増え続ける空き家・空地については、色々な方面からの対策が検討され…

  2. 不動産取引ガイド

    人口減少時代の住宅購入 20年後に買ってくれる人がいるか?という視点

    岸田総理が年初に異次元の少子化対策に取り組むという表明をしたり、東京都…

  3. 不動産取引ガイド

    改正地域公共交通活性化再生法をご存知ですか?将来、電車が走らないエリアも・・・?!

    突然ではありますが、「ローカル路線」を取り巻く経営環境は厳しい状況が続…

  4. 不動産取引ガイド

    熱中症警戒アラート

    熱中症の予防を促す情報として、全国で「熱中症警戒アラート」が発信されま…

  5. 不動産取引ガイド

    自然災害時の備え

    停電は自然災害や様々な原因による事故などで、全国各地で一年中発生する可…

  6. 不動産取引ガイド

    そろそろ「持ち家」VS「賃貸」といった不毛な論議はやめませんか?

    もう何年も前から不動産の鉄板ネタになっている「持ち家」VS「賃貸」。…

  1. お金・ローン・税金

    2022年10月 フラット35金利のご案内
  2. 不動産取引ガイド

    大規模か小規模か?住宅購入で失敗しないためのマンション規模の選び方
  3. 不動産取引ガイド

    リフォーム・リノベーション・リファイニング工事とは?
  4. 不動産取引ガイド

    中古戸建てを内見する際のちょっとしたチェックポイント
  5. 不動産取引ガイド

    マンションでカビが発生しやすい室内は?
PAGE TOP