水道は前面道路の本管から真っすぐ敷地内へ引き込むことが原則です。
通常であれば上図のaのように前面道路内の配管から各戸へ水道を引き込むわけですが、敷地の位置関係や権利関係、あるいは前面道路に本管がない、
あるいは前面道路に本管が埋設される前に工事された引込管をそのまま使っているなどの理由で、引込管が他人の敷地の下を通って埋設されているケースがあります。
また、その逆に他人の引込管が自分の敷地を通っているケース(C)、さらには1本の引込管を数軒で共用しているケース(b)などもあります。
このようなケースは、一般的に整備の行き届いていない私道で多くみられます。その他、一帯が借地の場合、以前は借地だった場合にも見受けられますが、たとえ前面がしっかりと整備された道路であっても安心はできませんので注意が必要です。
自分の住宅への引込管が他人の敷地を通っていれば、漏水事故などが起きたときにその責任を問われることになりかねません。逆に、自分の敷地に他人の引込管が通っていれば、建築に何らかの支障が生じることもあるでしょう。
また、1本の引込管を数軒で共用していれば(上記図b)、水圧低下による水量不足が起きやすくなります。
なお、敷地の前面が私道の場合で、既にある水道の埋設管にあまり余力がないときにも注意しなければなりません。新たに引込管を接続すると、同じ管を使う近隣などで水圧が下がる可能性があるときなどには、公道面からの引込管工事をすべてやらなければならない場合もあります。
いずれにしても、引込管の埋設状況に問題があれば、それを引き直すことを前提として考えなければなりません。これらはたいてい水道局の給水装置図面などで判明するため、売買契約前に重要事項として説明されますが、購入前には工事費用も予算に入れておく必要がありますので、事前に不動産の担当者へ確認をしましょう。
以上、バイヤーズエージェント中田でした。