不動産取引ガイド

相続が変わる。不動産は「所有」と「居住」へ

先日、日常生活や相続と大きな関係がある「民法」が改正され、相続法の分野の改正があることをお伝えしました。

「民法が改正されるのはご存知ですか?」https://smile.re-agent.info/blog/?p=6514

今回の改正で新たに「配偶者居住権制度」が創設されました。

こちらの制度により、不動産を共有するのではなく、不動産の価値を「所有権」と「居住権」分割できるため、相続手続きがスムーズになることを見込んでいます。

しかし、実際には、居住権の価格をどのように判定するのか、居住権についても別途登記が必要になってしまうことなど、諸々の付随課題が出てきてしまうようです。

「居住権」の価格判定について、法務省では「簡易な評価方法」という手法を提示しています。

<法務省>http://www.moj.go.jp/content/001263589.pdf

建物の「耐用年数や築年数」と配偶者の「平均余命」、法定利率をもとに、あと何年で建物の価値が「0」になるかを簡易的に割り出し、居住権の価格を算定するという方法です。

ただし、この評価方法はあくまでも法務省からの提示にすぎません。

遺産分割協議を行う場合には、この評価方法を採用するか否かを相続人間で合意しなければいけません。

この評価方法は、平均余命や一般的な建物の耐用年数を基準にしていますので、配偶者の健康状態や、建物の状態によっては、居住権は「もっと高い」又は「もっと安い」などの争いが生じてしまうことも考えられます。

また、実際に居住権を取得した場合でも、きちんと「登記」をしなければいけません。

ただでさえ相続登記自体が放置されているような状況にある今、相続登記に加えて配偶者居住権登記を行うことがきちんと浸透するのか。

スムーズに実務が運用されるのか、考えることは多くなりそうな印象です。

権利義務意識の高まりなどもあり、相続手続きがスムーズに進まないケースも増えているようです。

不動産を所有された場合には、相続手続きがスムーズに行われるよう、遺言書を作成しておくなど、問題が複雑化しないように心掛けておくことをおすすめいたします。

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