不動産取引ガイド

安売りしている土地の理由<但し書き道路>

目を引くような安さで売り出されている土地を見つけたとします。

「堀出しものだ!」と普通は思うのでしょうか。

この業界に慣れてしまうと、「訳あり物件だろうな・・・」とまず疑ってしまいます。

今回は、新築戸建ですが、相場よりも安い物件がありました。

お客様へご紹介しようと思い、イレギュラー要素を探していたところ、やはりありました。

備考欄にさらっと「43条但書道路」との記載を見つけました。

◆43条但書道路

建築基準法では、「建物を建築できる土地は、建築基準法上の道路と2m以上接していなければならない」という定めがあります。

この原則に対して、「ただし」で始まる例外規定があります。

建築基準法第43条により、「ただし(中略)建築審査会の同意を得て許可したもの」については、建築を認められることになります。

例えば今回は新築建物ですので、直近で建築審査会の同意がとれた土地だと判断できます。

ただ、これが次に建てるときにも許可が取れる保証にはなりません。

建築審査会の同意取得については、各ケースに応じて必要な書類や手続きが異なりますが、近隣住民の承諾書が必要なケースもあります。

今現在の近隣の方はご協力いただける方々だったかもしれませんが、次回建替えをする際には、世代も変わり、持ち主も変わり、どんな関係になるかわかりません。

「建替えないから大丈夫」という意見の方もいらっしゃいますが、地震や火災など、意図せずに建物が滅失してしまう可能性もあります。

不動産は高額な買い物です。

ご予算との兼ね合いも大切ですが、しっかりとリスクを把握したうえで検討するようにしましょう。

住宅購入時に知っておきたい不動産業界の課題について(不動産テックツールを活用しましょう!)前のページ

確定申告(譲渡損失の損益通算及び繰越控除)次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    住宅購入時の自己資金の目安ってご存知ですか?

    住宅取得に必要な資金は、住宅ローンで賄うのが一般的な考え方ですが、住宅…

  2. 不動産取引ガイド

    住宅購入の失敗は不適切な予算設定が原因

    今年こそは家を買おう!と決めている方も多いのではないでしょうか。い…

  3. 不動産取引ガイド

    見つけたら注意したい仮登記

    お住まいの重要事項説明を受ける際に注意すべきチェックポイント解説、今回…

  4. 不動産取引ガイド

    気に入った物件は、まず「申し込み」を

    物件の下見をして、気に入ったら不動産購入申込書(買付証明書)を記載し、…

  5. 不動産取引ガイド

    列車本数3割増!!通勤・通学が快適になると、資産価値も上がるのでは??

    小田急線というと、通勤通学時はギュウギュウの満員電車となるイメージがあ…

  6. 不動産取引ガイド

    タワーマンションのメリット・デメリット

    タワーマンションは、「タワマン節税」と呼ばれる相続税対策や固定資産税、…

  1. 不動産取引ガイド

    リフォームを「工事」と捉えるか「製品」と捉えるか
  2. 欠陥・トラブル

    気を付けたい「相続による不動産の共有」
  3. かし保険

    【瑕疵保険⑥】売主が個人の場合 後編
  4. 不動産取引ガイド

    東日本大震災の教訓として・・・ 居住が制限される地域(災害危険区域)が存在するの…
  5. 不動産取引ガイド

    他人ごとではないですよ!「被災するということ」とは
PAGE TOP