不動産取引ガイド

建築時地盤調査の義務化

現在の建築基準法改正では、事実上、建築時の地盤調査が義務化されています。
以前は、地盤調査をしなくとも住宅を建築できましたが、地盤の状態を確かめずに家を建て不同沈下が起こるなど、欠陥住宅の増加が問題になりました。
そのため、平成12年に「建築基準法」が改正され、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」も制定されました。
この法律の適用により、現在では地盤調査がほぼ不可欠です。
品確法は、「基本構造部分の10年保証」「住宅性能表示制度」などを定めた法律です。

地盤調査

ボーリング調査

小規模~大規模建物をはじめ、擁壁、道路など多用途での地盤調査に用いられる一般的な調査方法です。
正式には標準貫入試験と呼び、 1メートルごとに地盤の硬さを測定します。パイプ状の調査機器で、地中の砂質土や粘土といった土質、支持層までの深度、地下水位など、地層構成までも調査することが可能で、室内土質試験用のサンプリングも同時に行います。
どんなに深く固い層でも掘り進むことができますが、調査時間は長く、数日かかることもあります。

SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)

住宅向けの簡易的な地盤調査方法で、地盤の支持力を算出する際に必要なN値に相応する「換算N値」を算出することができます。
手動式と機械式の試験方法があり、現場状況に応じて選択します。
原理は、先端にスクリュー状のドリルが付いたロッドに25kgの重りを順次載せて行き、自沈しない場合はロッドのハンドルを回し、その抵抗から土質と換算N値を測定します。

平板載荷試験

地盤に建物の重量に見合う荷重を直接かけて、沈下量を測定して支持力を判定します。
主に道路や擁壁などの調査に用いられ、地盤補強後の地盤の強度確認も行うことができます。
具体的には、基礎を設置する深度まで地盤を掘削し、基礎に見立てた鋼板を置き、それに建物の重量に見合う荷重をかけて沈下量を測定します。比較的短時間で地盤の支持力を測定することができます。

地盤改良工事が必要なケースについて

一般的に、地盤改良工事が必要かどうかは、以下2つの条件から判断されることが多く見られます。

1.地耐力(地面が建物を支える強さ)が20~30KN/㎡以下の軟弱地盤と判断された場合

2.敷地とその周辺が埋め立て地や盛り土で造成された土地、過去に陥没があった土地、液状化や不同沈下の可能性がある土地など、総合的な周辺情報により地盤の強化を要すると判断された場合

地盤調査の結果と敷地周辺に関する情報を総合的にみて、地盤改良工事が必要かどうかが決まります。

地盤改良工事とは?

1.表層改良工法

表層改良工法は、セメントを使用して地表周辺を固める地盤改良工事のことで、地盤の軟弱な部分が地表から2mまでの浅い場合に用いられる工法です。
表層部の軟弱地盤部分を掘削し、セメント系固化材を土に混ぜて十分に締固めて強度を高めます。

メリット
表層改良工法のメリットは、改良深度が浅い場合は比較的リーズナブルで、小型の重機でも施工が可能な点です。
また、地中にコンクリートや石などが混入していても施工できる点も大きな特徴と言えます。

注意点

注意点は、勾配のきつい土地では施工が難しい場合があることです。
また、地盤改良面よりも地下水位が高い場合は対応できません。
施工者のスキルに依存しやすく、実績を積んでいないと仕上がりの強度に影響する点も気を付けたいポイントです。

向いている土地

表層改良工法に向いている土地は、勾配があまりなく、地下水位が地盤改良面よりも低い土地です。

2.柱状改良工法

柱状改良工法は円柱状に地盤を固めた改良杭によって建物を支える地盤改良工事のことで、軟弱地盤の深さが地中2~8mの場合に用いられる工法です。
地中に直径60cmほどの穴をあけ、良好な地盤まで掘ります。
地盤を掘る過程で水を混ぜたセメントを注入して土と混ぜて撹拌し、円柱状の固い地盤を築くことで強化する仕組みです。

メリット

柱状改良工法もまた、比較的リーズナブルで住宅の地盤改良工法として多く採用されています。
また、支持層(強固な地盤)がなくても施工できる場合があるといった点もメリットです。

注意点

特定の地盤(有機質土など)では、セメントが固まらないといった固化不良が発生することがあります。
また、施工後は地盤の原状復帰が難しい点は要注意です。
将来的に土地を売りたい場合、価格の低下につながる可能性もあります。改良体撤去にはかなりの費用がかかるためです。
改良体が残るので、解体後に別の建物を施工する際、工法の検討が必要になる点も気を付けたい点です。
また、狭小地や高低差のある土地では搬入不可となる場合もありため注意が必要です。

向いている土地

軟弱地盤で、不同沈下の可能性がある場合に用いられます。
将来的に土地を売却するつもりがなく、住み続けると決めた土地なら撤去のことを考える必要がありません。

3.小口径鋼管杭工法

小口径鋼管杭工法は、鋼管で地中から建物を支える地盤改良工事のことで、地中30mまでの地盤補強が可能です。
地中深くにある固い地盤に鋼管の杭を打って、建物を安定させます。工事に掛かる日数も1~2日程度のため、短い期間で工事を終わらせたいという方にもおすすめです。
また、小口径鋼管杭工法は狭小な土地など、重機を搬入しにくい場所での工事にも適しています。

メリット

小口径鋼管杭工法のメリットは、施工後の地盤強度が他に比べて高い点です。
また、3階建てなどの重量のある建物にも対応できます。

もうひとつ重要なメリットは、柱状改良より小さい重機でも施工できる点です。

注意点

小口径鋼管杭工法は、支持層がなければ施工できません。
また、場合によっては工事中の騒音や振動が大きい点もデメリットです。
工事に入る前は、ご近所さまへの配慮は欠かせません。
同じ条件で工事した場合、柱状改良工法より高額になる傾向があります。
さらに、圧密沈下の大きい場所(新しい盛土造成地など)では、建物は沈下せず周囲の地盤が下がり、杭の抜け上がりが起こることがあります。

向いている土地

表層改良や柱状改良では対応できないケース、あるいはある程度狭い土地で、支持層がある土地に向いています。

いかがでしょうか。
土地をお探しの際には状態、土の週類、地耐力などをよく調べておくことが将来の自宅の地盤沈下や傾きに対する安全性も考えて購入のご検討をして頂ければと思います。

リニュアル仲介、渡辺でした。

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