タワーマンションの修繕費の高騰が課題になっている。中東情勢の影響による建築資材の供給不安で修繕工事が停滞する例も出てきた。
資金不足を回避するために修繕積立金や工期などを見直す動きが広がっています。
その為、本日はインフレ時のタワマン購入について、解説をしたいと思います。
■中東影響で工事が中断する事態が発生!
「工事を進められなくなりました」。
修繕に向けて足場の仮設を組み始めた段階に、工事がストップするといった事態が発生しています。
防水剤や塗料、外壁の隙間を埋めるシーリング材が調達できなくなったことにより、施工会社から管理組合に連絡が入るといったシーンが増えています。
再開のめどは立っていないというシーンもあります。
もともと人手不足や資材費の上昇で工事費が高騰していたところに、中東情勢が追い打ちをかけました。
工事費が高くなる今の状況で修繕工事の見積もりを取るべきなのか悩んでいる管理組合も増えているようです。
■タワマンの修繕積立金の負担は非常に重い?!
外壁や共用スペースの改修資金として住戸の所有者が毎月支払うマンションの修繕積立金は、とりわけタワマンで負担が膨らんでいます。
高層階用の特注エレベーターや長尺の給排水管の更新費に加え、作業の足場用に屋上からつるすゴンドラのレンタル費もかさむからです。
住宅情報サイト「ライフルホームズ」によると、東京23区の築10〜30年の20階建て以上のタワマンは、1月時点の平均修繕積立金が月1万9515円と2008年から1.8倍に増えているようです。
19階建て以下のマンションより約2割高い水準となり、タワマン購入を検討されている方は、購入費だけでなく、日々生活する中で必要となる修繕積立金の上昇について、考慮する必要があります。
マンションの大規模修繕の周期は一般的に12〜15年となっています。
1回目は外壁補修や防水対策が中心で、築30年ごろの2回目に給排水管や窓サッシ、エレベーター、機械式駐車場といった大型設備の更新が重なり、修繕費がピークを迎えます。
ある首都圏の総戸数約800戸のタワマンについての見積もりでは、1回目の大規模修繕に約14億円、2回目は約17億円となったケースもあるようです。
■タワマンの修繕積立金は30年前後で「崖」に直面する?!
積立金の設定が低いまま増額できていなかったり、インフレで費用が想定以上に膨らんだりすると、築30年前後は資金がショートする「崖」に直面すると言われているようです。
国土交通省の2023年度の調査によると、管理組合の37%が「修繕積立金の残高が計画に対して不足している」と答えたといったデータも存在します。
長期修繕計画を「30年以上かつ大規模修繕工事を2回含む」とするガイドラインに準拠していない組合は約2割あり、「崖」に直面するリスクを十分に織り込めていないことになります。
また、工事費が従来の水準に戻る見込みはなく、修繕積立金不足はさらに加速する事をこれからタワマン購入を検討されている方には知っておいて欲しいです。
■タワマンは修繕周期を延ばして対応?!
崖への対策として、不動産デベロッパー各社は建物の部材を長寿命化することで修繕の周期を延ばして総額工事費を抑える取り組みを進めています。
例としては、資材メーカーや施工会社と協業し、屋上の防水に紫外線や雨などに強い特殊な塗料を使うなどして耐用年数を延ばし、大規模修繕の周期を12年ごとから最長18年ごとに延ばせるという対策を取られているシーンもあります。
2007年に竣工したさいたま市内の29階建てタワマンで導入する場合、築61年までの修繕回数が4回から3回に減り、約7億2000万円のコスト削減効果を見込んでいるようです。
3月には築30年超で生じやすい資金難に対応する保証サービスを本格的に始めました企業もあるようです。
大規模修繕に代え、劣化状況を調べ必要部分を見極めてメンテナンス工事を実施する。5年間の防水保証を付け、大規模修繕工事を先送りできるようにしたケースもあるようです。
タワマンの老朽化はこれから本格化していきます。不動産情報サイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインド社によると、20階建て以上のタワマンは25年末時点で全国に約1700棟(計約44万7450戸)あります。
今後10年ほどで2回目の大規模修繕を迎える築20年以上は623棟あります。
つまり築年数がたつと維持管理の差が目に見えて出てきやすく、資産価値にも影響を与えると言われます。これからタワマン購入をされる方は、このような大規模修繕への備えも把握する必要があります。今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕











