不動産取引ガイド

「迷子(まいご)の土地」をご存知ですか?!所有者不明の土地が増えているという現実!

所有者がわからない「迷子の土地」がかなり増えているようです。

その理由としては所有権が移っても登記や届け出をしない人が増えているためで、結果として災害復旧やまちづくり、農地の集約などで障害になっているようです。

「所有者の把握が難しい土地は私有地の約2割になる」そうです(国土審査会の専門委員会、全国の4市町村から100地点ずつを選んでの登記簿調査結果より)。http://www.mlit.go.jp/common/001141009.pdf  その調査結果を見ると、最後に所有権の登記がされた時期をみると、全体の19.8%が1964年より古かったようで、半世紀以上前ということは所有者が変わった可能性が高く、それを「把握が難しい土地」=「迷子の土地」とみなしているようです。 ちなみに「迷子の土地」が話題になったきっかけは東日本大震災だったようです。

高台に被災者の移転用地を整える際に所有者が不明な土地が障害になったため、各地の公共事業でも事業を中止するような事例が相次いでいます。

今後の成長戦略に欠かせない農地の集約も阻害しているとのことで一部では問題になっている様子。

一般に土地を取得したり、相続したりすると新たに登記するが、義務ではなく当事者の判断に委ねるのが民法の原則であり、相続を放棄する人も増えているため、このような問題が増えているようです。

国交省の調査によると、かつては6割超の人が「土地は預貯金や株式より有利な資産」とみていたそうですが、現在は3割に減っているようです。地価下落で土地の魅力が薄れ、管理する手間を避ける傾向が強まっており、地方はこのような土地が増えています。

法務省は来年度に「法廷相続情報証明制度(仮称)」を始める方針を打ち出し、書類一式を集めて法務局に提出すると、法定相続人であることを示す証明書を発行する仕組みがスタートする予定です。

現在は相続する不動産や預金ごとに大量の書類を個別に登記所や金融機関に出す必要があるが、今後は証明書1枚で済むようになります。

また、自治体の対応も重要となり、死亡届が届いた段階での戸籍、税務、登記までをきちんと対応する仕組みが必要となり、今後も「迷子の土地」についての情報は注目をしていきたいと思います。

法人営業部 犬木 裕

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)
■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

人口減少と極端な少子高齢時代に突入した日本。前のページ

「子育て大国」で「新築マンション」次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    「中古物件+リフォーム」20代の84.8%が肯定的?!

    少し前ですが、「中古物件+リフォーム」について若い方の意識が変わってき…

  2. 不動産取引ガイド

    東京都 旧耐震建築建替え促進!市場への影響は?

    先日の日経新聞一面に、東京都が分譲マンションの建て替えを促進するために…

  3. 不動産取引ガイド

    無電柱化の推進!

    電柱化推進のための新たな取り組みが行われている事はたまにニュースなどで…

  4. 不動産取引ガイド

    本気で購入を決めたら1~2か月が勝負

    家の購入は、生活用品を買うようにはいきません。物件探しも大変ですが、そ…

  5. 不動産取引ガイド

    是非一度ショールームを見に行ってみましょう!

    ご存知ですか?住宅設備のいろいろ。物件にはおおまかに新築と中古に分…

  6. 不動産取引ガイド

    カーポートは、建蔽率も緩和になるのか?

    お客様から聞かれる質問に、「カーポートは建築面積に含まれないのですか?…

  1. 不動産取引ガイド

    マンション購入時に知っておきたい修繕積立金の盲点について
  2. 不動産取引ガイド

    自宅の売買や買い替えの場合、路線価を0.8で割ると時価の目安になる?!
  3. 不動産取引ガイド

    メリット大!安心・快適に住める「長期優良住宅」
  4. 不動産取引ガイド

    住宅は一生の買い物でなく、家族構成に応じて買い替えるべし
  5. 不動産取引ガイド

    9月は火災災害について考えませんか?
PAGE TOP