不動産取引ガイド

マンションの建て替えに必要な”合意形成”

一般的にマンションの建替えには合意形成が必要と言われていますが、具体的にどの規模の合意形成が必要なのでしょうか?

民法では、不動産を処分する場合には、共有者全員の合意が必要とされていますが、マンションの場合には「特別法」が制定されています。

それが、「建物の区分所有等に関する法律(=区分所有法)」です。

この区分所有法によると、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建て替えの決議をすることができると定められています。

8割強の合意があれば建て替えが可能ということです。

この決議に賛成した区分所有者は、反対した方に対して売渡請求をすることができることになっています。

手続き上は、このように8割の同意があれば、マンションの建替えができるとはなっていますが、実際にはどうでしょうか。

そもそもマンション解体費用や再建築費用、反対者の買取り費用など、多額の資金が必要になります。

敷地の容積率に余裕があり、建て替えた場合に販売できる住戸が新たに作られる場合には、ディベロッパー等の協力も得られるかもしれませんが、容積率がいっぱい・駅アクセスも悪い、といったマンションの場合には、資金的に難しいかもしれません。

また、合意形成で問題になるのが、居住者の高齢化・相続人行方不明問題です。

居住者が認知症などで意思表示ができないケースや、いわゆる「空き家」状態になってしまい、相続人の連絡先がわからない等、「反対多数」ではなく「賛成不足」という事態も想定されます。

耐震性不足のマンションや、立地に難のあるマンションについては、リフォームの見た目に左右されず、慎重に検討するようにしましょう。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/(ご利用は無料です)

 

■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

安心R住宅の説明会に行ってきました前のページ

海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 12 【ローン正式審査~決済編 1/6】次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    中古を買う際のリフォーム費用について

    中古住宅を購入する時には最近ではリフォーム済の物件も増えてはいますが、…

  2. お金・ローン・税金

    相続税には課税されるものと非課税のものがあるのご存じですか?

    相続税は、亡くなった人(被相続人)の財産を、相続や遺贈(遺言によるもの…

  3. 不動産取引ガイド

    耐震基準がいくつもある!~耐震等級~

    先日に引き続き、耐震基準に関するややこしい話です。今回は耐震等級で…

  4. 不動産取引ガイド

    安いからといって旧耐震の住宅を買おうとしてませんか?

    家族を守る為にも耐震性について考えてみましょう。平成25年の段…

  5. 不動産取引ガイド

    二世帯住宅は建て方で、節税も出来る??

    親の家を二世帯住宅に建て替える場合には、土地は親の名義のままにしておい…

  1. 不動産取引ガイド

    2024年の住宅市場:価格動向から見る賢い不動産選び
  2. 不動産取引ガイド

    プロエージェントはここを見る!本部エージェントの現場レポート≪中古戸建て編①≫
  3. お金・ローン・税金

    2019年1月 地震保険料改定
  4. 不動産取引ガイド

    相続税対策と建物の合体の登記
  5. お金・ローン・税金

    大手住宅メーカー10社 中古住宅でも無料で瑕疵(かし)保険を提供開始
PAGE TOP