不動産取引ガイド

生まれ変わった東京駅・・・の秘密

「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」が終わり、生まれ変わった東京駅ですが、その改修費用は実に500億円と言います。

その費用をJR東日本はどのように調達したのでしょうか。

実は、この時に用いられた手法が「空中権の移転」という制度です。

それぞれ土地には「容積率」が定められており、土地に対してどの規模までの建物が建築できるか上限が設けられています。

ところが、東京駅の場合には、低層の駅舎であるため、指定容積率の上限まで利用していませんでした。

そこで、この「未利用の容積率」を「空中を使ってよい権利」として捉え、その権利を他の土地に売却したのです。

「空中権」を取得した近隣の土地は、例えば元々の容積率が700%だったところ、購入した「空中権(=容積率)」を加えることで容積率800%まで建物を建築できるようになる、という方法です。

まるで錬金術のような手法ですが、どこでもこの方法が使えるわけではありません。

この「空中権の売却(=「容積率の移転」」が使える場所は「特定容積率適用地区」に限定されます。

「特定容積率適用地区」に指定されるためには、「高度な利用を促進すべき地区である」「適正な公共施設を備えている」「歴史的建造物の保存・復元などの地区整備の方針が定められている」などの要件があります。

東京駅は、これらの諸条件をクリアしたために、空中権移転という手法が採用できたのです。

そもそも「空中権」は、所有権や地上権などの権利と違い、民法などには空中権を規定した法律はありません。

ただし今後は、人口減少や立地適正化計画などにより利用される地域が集中していくことを考えると、この空中権の活用が進んでいくかもしれません。

「ネーミングライツ」などにも言えますが、以前はそれを売るなど考えられなかったことが、資産価値として認められお金になる、ということもあります。

新しい発想、柔軟な考え方を取り入れていきたいですね。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/ (ご利用は無料です)

**************************************************

あなたのまちは、どれくらい危険ですか?前のページ

住宅ローンを借りる際、借入可能金額を増やす方法があります。次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. お金

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 6 【事前準備~売買契約締結 編 4/9】

    「海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し」シリーズ。このSTEP4.では…

  2. 不動産取引ガイド

    住生活基本法を知る!

    今回は、住生活基本法についてです。我が国の住宅政策としては、昭…

  3. 不動産取引ガイド

    駅から遠い築古のマンションは購入してもよいのか?

    中古マンションを購入する際、築年数は気になるところです。築40年を超え…

  4. 不動産取引ガイド

    地方移住計画

    雑誌の中にテレワークの浸透で進む若年層からの地方移住計画というタイトル…

  5. 不動産取引ガイド

    「住宅ストック維持・向上促進事業」に採択されました

    国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」という補助事業があります…

  6. 不動産取引ガイド

    マイホーム 「消費」としての考え方と「資産」としての考え方

    マイホームの建物部分は、購入後利用して経年とともに減価、消費していくと…

  1. 不動産取引ガイド

    新築マンションなのに、契約解除という事態がおこります。
  2. 不動産取引ガイド

    「相続」案件が「争族」となり、過料が発生するケースもある?!
  3. 不動産取引ガイド

    2040年までに推計人口が上回る地域ランキング
  4. 不動産取引ガイド

    俺の隠れ家的なガレージやカーポート設置で固定資産税が増える?!
  5. 不動産取引ガイド

    内見のコツ
PAGE TOP