本年6月14日、所有者不明土地等対策の推進に関する新たな基本方針及び工程表が閣議決定されました。
<国土交通省>https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo02_hh_000128.html
発表された工程表によれば、2020年までに「土地基本法等」「国土調査法等」「民事基本法制」の見直しを図るということです。
それぞれ具体的な内容としては、土地所有者の責任を明確化する、所有者不明の場合でも土地調査が円滑に進むよう手続きを円滑化・迅速化する、相続登記の義務化、共有制度の見直し、遺産分割協議の期限設置などとなっています。
どれも、まずは土地所有者が不明にならないようにすることを目的としています。
制度設計の観点から言えば、こういった手続き面での改正は大切なことですが、そもそもこの問題の根底にあるポイントは、「その土地に価値がない」ということです。
土地自体に資産的な価値があれば、義務化されなくても相続人は相続手続きを進めますし、放置されるようなことはありません。
ただ、現実問題として土地自体に価値がないため、手続きを義務化されても負担が増える一方ということになります。
「相続手続きの義務化」、「遺産分割協議の期限設定」は、いらない土地の押し付け合いを強制することになり、相続争いを表面化させるキッカケとなってしまう可能性もあります。
また、「共有制度の見直し」により、一部の相続人や共有者が不明の場合でも土地を処分できるようになる、という制度ができたとしても、その土地が「処分」=「売却や運用」が見込めないような資産価値のない土地であれば、制度自体が絵に描いた餅になりかねません。
資産価値のない土地は、結局、所有者の負担になってしまう、という点は、制度設計だけでは解決できるものではありません。
すでに発生している所有者不明土地問題に関しては、例えば、補助金や助成金制度を創設するなど、何かしらの「ニンジン」がなければ動いていかないのではないでしょうか。
それと同時に、これから不動産購入を検討されている方は、「将来的に資産価値の毀損しない不動産」という視点を強く意識していただきたいと思います。
お住いの購入は「終の棲家」として終わるものではありません。「住み倒してあとは野となれ」とはいかない状況になっていくことが予想されます。
最近では、人生の終盤は病院や施設で過ごす、という方も多くなっています。
入院・入所にかかる費用が現金で用意できれば良いですが、資産として所有していた自宅を売却する、という選択肢が持てることはきっと将来のご自身への投資となります。
また、資産価値のある不動産を遺せるかどうかは、相続人の負担を軽減することにもつながると思います。
不動産の資産価値を左右する最大のポイントは「立地」です。
人口が減っていく都市や、都心からアクセスの悪い郊外などは、人口が減少し「家余り」が加速していく状況では資産価値の目減りが強く懸念されます。
そして、もうひとつの資産価値の目減りを防ぐ方法は、「高値掴みをしない」ことです。
割安な価格で購入できれば、将来的な値下がりリスクも軽減することができます。
ぜひ「資産価値」という視点で不動産選びをするようにしてみてください。
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<SelFin>https://self-in.com/
「流動性」については、人口動態などをもとに「街力」を算出しています。
今後、資産性が保てるエリアかどうかを判定する参考となります。
また「価格の妥当性」については、マンションであれば収益還元法を用いて、賃貸に出した場合、いくら賃料が見込めるかをもとに妥当性の判断をしています。
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ただ、SelFinの判定結果はあくまでもAIによる自動判定ですので、個別具体的なポイントについては「人の目」による診断が必須です。
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SelFinによる自動判定に加えて、ハザードマップの確認、成約事例の調査、買い物・教育・犯罪発生率など生活環境も含めたアドバイスをさせていただきます。
これからの不動産購入は、なんとなく安いから、なんとなく気に入ったからだけで選ぶべきではありません。
ぜひ、「資産価値」という長期的な視点をもってお住まい探しをなさってください。