不動産取引ガイド

ローン「想定返済期間」も考えておきましょう

住宅ローンの選択は、一番損のない得するやり方を探しておくのがポイントです。
そのために前提として考えておいた方がよい項目の一つとして「想定返済期間」があります。
ほとんどの方は、変動金利、固定金利などの種類、毎月の額、繰り上げ返済の場合の手数料等を気にする方が多いと思いますが、資金に余裕がある方は、この点も考えておいても良いかもしれません。

住宅ローンは返済期間が長いほど、利息も高くなるため、実際には繰り上げ返済を行って、最終的には25年前後ぐらいで返してしまう方が多いそうです。この繰り上げ返済の計画をローン計画とともに立てておき、それを頭に入れたうえで、金融機関はどこにするか、金利は固定にするか変動にするか、保証料は一括払いにするか分割にするか、といったことを決めた方が、より経済的な住宅ローンの計画ができます。

例えば、多少余裕があって10年~20年余りで返済できる見込みがあり、しかも金利引き下げがつくのであれば、変動金利型の方がお得です。逆に、資金的にぎりぎりに近く、35年かけてコツコツ返していくしかないのであれば、固定金利型のメリットも出てくるので、フラット35Sを選択肢に加えてみても良いでしょう。

ローン保証料は当然、「分割払い(金利上乗せ型)」の方が高く、35年かけて返済するのであれば一括払いの2から3倍くらいになってしまいます。ただし、35年ローンが繰り上げ返済によって15年短くなって20年になった、という場合には、使わなかった15年分の未経過分の保証料の一部が通常返金されます。
ただし、戻し保証料には下記のような注意点も存在します。
・全ての金融機関で、戻し保証料を受け取れるわけではない。
・かなりの割合で保証料は償却される
・戻し保証料を受け取るには、手数料として1万円程度必要になる
・借り換えの際にも戻し保証料は受け取れるが、別途全額繰り上げ返済手数料が必要になる
・金利上乗せ型の場合は、戻し保証は発生しない

変動金利型で借りたローンの繰り上げ返済は、ウェブ上で手続きを行えば手数料は無料になるところが多くなりました。変動金利型でこまめにゲーム感覚で返していきたいという人は、保証料は分割の方が得という場合も中には出てくるでしょう。

せっかく繰り上げ返済をしても、保証料の返金分が返金手数料で食われてしまって、結果は35年分の保証料に近い額を支払ったというケースもあります。このようなとき、分割払いならそれまでの分しか払っていませんから、その方がマイナスは小さいことになります。その点も結構な額になってきます。

保証料の支払い方は申込と時に決めたら変えられませんので、返済の計画をよく考えて、まずは銀行に、あるいはFPや不動産業者等によく相談しておくとよいと思います。

以上、中田でした。

所有者不明土地の解決へ向けて一歩前進。土地を所有することの責任とは?前のページ

建築基準法上の道路とは??次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    『山手線はこんなに勾配がある!?』

    普段、何気なく乗っている山手線・・。最近は、電車に乗っていてもスマ…

  2. 不動産取引ガイド

    「20XX年問題」をご存知ですか?

    最近「20XX年問題」をニュースや情報番組などで耳にすることが増えてき…

  3. 不動産取引ガイド

    中古戸建てのインスペクションは改修工事を前提に

    改正宅建業法の施行から半年。中古取引におけるインスペクションも徐々…

  4. 不動産取引ガイド

    廊下のない家

    コロナ禍により住宅の間取りに変化が出てきました。テレワークが増えた…

  5. 不動産取引ガイド

    2016年住みたい街ランキンの結果と住宅購入エリアの選定について

    少し前に住宅購入を支援しているリクールトが運営するSUUMOにて「20…

  1. リニュアル仲介通信

    公開データを使って探る価格交渉の 現実的な落しどころ
  2. お金

    『目黒区の1億超の物件を仲介』
  3. 不動産取引ガイド

    フローリングの床の色で部屋の印象がガラッと変わる?
  4. 不動産取引ガイド

    子供の成長に悪影響を与える、カビ汚染が増えている?!
  5. 不動産取引ガイド

    今年は観測至上最悪の猛暑がやってくるといわれてます。
PAGE TOP