「瑕疵保険は、売主が賠償補償費用負担を回避すべく、売主が掛ける」といったように、売主側にとってもメリットがあるはずですが、現在ではまだまだ瑕疵保険の普及が進んでいないこともあって、売主側が費用負担をして付保するということは殆どありません。
あるとすれば、売主が宅建業者で、仕入れた中古物件をリフォームして再販売する時に、付加価値として保険をつけているということがチラホラある程度です。
以前に、「売主の瑕疵(かし)担保責任の範囲と「瑕疵保険」の対象範囲の差≪中古住宅の保証 その①≫★リンク★」で書いたように、売主の瑕疵担保責任の期間は3カ月というのが一般的で、瑕疵保険は5年間ですから、4年9ヵ月分は余分な状態になってしまうというのも、売主側(個人の)で普及していないひとつの理由になっているかもしれません。
ちなみに、売主の瑕疵担保責任というのは、「契約時までに売主・買主ともに知らなかった隠れたる瑕疵」に対して責任があります。例えば、内見の時に雨漏りを発見し、その後、商談の上売買契約締結となったとすれば、その雨漏りについては、「隠れたる瑕疵」ではないので、瑕疵担保責任はありません。
契約後、「建物調査を行ない、給水管に漏水があることが分かった」という場合には、隠れたる瑕疵ですので、瑕疵担保責任がありますから、売主が修復をする義務があります。不動産を売りに出す際に、専門機関による検査(例えば、瑕疵保険検査)を受けておけば、売主にとっては「隠れたる瑕疵」が無くなる方向ですから、本来はメリットがあるはずです。
ただ、現時点では、売主も、さらにはこの手のことに知識のない不動産業者も「何かあらさがしをされるのでは」とか、「問題が見つかったら高く売れなく成ってしまうのでは」と考えてしまい、あまり活用されていないというのが実情です。
国策として、来年度以降に建物検査(インスペクション)の法制化の動きが始まることが決定していますので、今後は利用されるケースが増えてくると思います。
≪瑕疵保険詳細≫
http://www.jio-kensa.co.jp/insurance/kizon_jutaku/personal01.html
以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。
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