不動産取引ガイド

マイホーム購入はコロナで変わったのか?

「今さらですか?」
とある記事を読んだ感想です。

コロナで変わる「マイホーム購入」、住宅市場の新トレンドとは
https://diamond.jp/articles/-/272848

要約すると中古を買う人が増えてます、という内容なのですが、果たしてコロナだから中古を買う人が増えているのでしょうか。

■既存住宅流通のトレンドはとっくに実現している

記事ではあたかも最近の動きのように書かれていますが、国の住宅政策が新築から既存住宅流通へ方向転換して10年くらい経ちます。

かつてのように不動産が20年~30年で価値を毀損するような市場を続けていくと、日本の国力を失ってしまうからです。

事実アメリカは住宅への投資額よりも住宅の資産価値が上回る市場が形成されていて、国民が家を買えば買うほど国としての価値が上がることになっています。

対して日本は住宅の投資額に対して住宅の資産価値は1/3程度の状況なので、住宅への投資が成立しておらず、単に住居費として消費される市場と言えます。

中古住宅の問題点を解決する政策もとっくに運用されていて、中古住宅はすぐに悪くなるというかつての思い込みは払拭されています。

■悪いところを直して購入するのが正しい買い方

中古住宅なので傷んだところがあって当たり前。購入時に調べて(インスペクション)適切に修繕すれば中古住宅でも問題ないというのが今の買い方です。

新築住宅を購入したとしても10年も経過すれば住宅設備に不具合が生じますし、20年何もやっていなければ雨漏れも起きるでしょう。

新築だろうと中古だろうと住宅にはメンテナンスが必要なのです。

■その記事は公平な立場のものですか?

住宅や不動産に関する報道は家を売りたい人の思惑が強く反映されてしまいます。

記者は住宅の専門家ではないので、当然プロである住宅事業者に取材を行うのですが、考え方が寄ってしまうんですね。

今回ご紹介した記事も取材先は1社のようです。

メディアに十分な予算があれば少なくとも複数の取材を行うのですが、このご時世なので致し方ない部分も理解できます。

ただ問題なのはこういった記事でも意外と影響が大きいということです。

記事を深く読むというよりはざっと目を通す程度の人の方が多く、「コロナで中古が売れている」と誤った認識が伝わってしまう恐れがあります。

「コロナ」で「中古住宅」と単語だけを切り出してみると、コロナの影響で景気が悪くなり中古住宅しか手が出せなくなっているという印象が強くなりませんか?

中古住宅が売れているのは合理的だからです。

住宅ローンの返済を住居費として消費しない賢い買い方だからです。

そして新築が贅沢な買い物であるということがようやく一般に伝わりつつあるからです。

■今後必ず出てくる新築至上主義の報道に要注意!

今回ご紹介した記事は書かれている内容がおかしいわけではないですし、当初はYAHOOニュースにも掲載されていて、YAHOOニュースのコメントがかなり参考になるので良い記事だと思いますが、そのうち売上に困った住宅会社が「やっぱり新築がいい」という印象を与える記事をメディアを使って出してきますので、住宅購入をご検討の方は記事の読み方にご注意いただけたらと思います。

語弊があることを承知で書きますが、記事に1社しか登場しない記事は話半分で捉えた方が無難です。

記事をよく読めばおかしなところに気が付くのですが、住宅購入検討時はとにかく多くの情報に触れますので、こういった記事もタイトルにしか目がいかないことも考えられます。何でもかんでも情報を拾うのではなく、時には「この情報は不要である」と切って捨ててしまう判断も必要なのかもしれません。

最後に記事のコメントを閲覧される前に下記の点を留意しておくとより面白く読めると思いますのでご紹介します。

・新築でなければならない合理的な理由はありません。
・中古住宅なら何でも良いというわけではありません。
・中古住宅は現在の状況を調べて、悪いところを直して購入するものです。
・新築であっても定期的なメンテナンスが必要です。
・田舎で家が売れないのは中古住宅だからではなく、その土地に資産価値がないからです。
・建築のプロでない限り旧耐震の物件に手を出すべきではありません。
(中古を買ってDIYリフォームは最低でも新耐震の物件で成り立つものです。地震が来たら頑張ってDIYしたものも全部無駄になります。)

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