不動産取引ガイド

災害と不動産購入

毎日のように地震が各地で起きていますが
今年も3月11日を迎えました。
あの未曾有の大災害からはや11年。
当時の記憶を風化させまいと願うものの、時とともに防災意識は薄れてしまうものです。
せめて毎年この日にだけは大切な教訓を思い返したいと思います。

■とにかく逃げる

東日本大震災は「地震」と「津波」の被害でした。
地震災害の場合は「身を守る」ことが第一なのですが、津波の場合はとにかく逃げることが大切です。
2022年1月15日に南太平洋トンガ諸島付近の大規模噴火により日本でも津波警報が発令されました。
危険地域にお住まいの方は避難をされたでしょうか。
東日本大震災以降も津波警報や注意報が何度か発令されていますが、幸いなことに大きな被害には至っていません。
しかし、津波警戒地域にお住まいの方にとっては「またか」と避難が空振りに終わることを煩わしく思う方もいらっしゃるかもしれません。
100回空振りでも101回目に助かるならそれでいい、空振りではなく「素振り」なんだと、意識の高い方は防災意識を維持し続けていらっしゃるのですが、度重なる空振りで甘い判断をしてしまうのもまた事実です。
防災のことを考える時に、根拠なく「自分は大丈夫」と思い込んでしまう不思議なバイアスがかかってしまいます。

津波だけではありません。今年の冬に各地で発生した豪雪被害に見舞われた方も多いと思います。
都市部でも積雪があり、動けなくなった車に起因する立往生が報道されました。
雪がひどくなる時は運転を避ける、思い返せば誰でもそう考えるのですが、災害のその瞬間は何故だか「自分は大丈夫」と思ってしまうのです。
※都市部でもノーマルタイヤだったため事故となったケースが多かったようです。

話を戻します。
様々な都合があるのはわかるのですが、津波警戒地域にお住まいの方は、空振りだとしても逃げる習慣をつけることが東日本大震災で得られた大切な教訓です。

津波被害を避ける方法は「津波警戒地域外で生活する」が一番で、どうしてもその地域で生活しなければならない場合は「警報が発令されたら逃げる習慣をつける」ことが大切です。

■防災における不動産購入とは

住宅購入は各種災害から家族を守る効果の高い防災対策と言えます。
災害を防ぐ街や家を選べば良いからです。
津波被害は前述の通り、津波警戒地域を避けるべきです。
土砂災害も土砂災害警戒地域を避けることで被害を未然に防げます。
地震は耐震性の高い住宅を選ぶか、必要な耐震改修工事を実施することで対策を取ることができます。
洪水は少し難しいです。
日本は水の国なので、洪水被害を完全に防げる立地はそれほど多くはありません。
洪水ハザードマップを見て警戒レベルの高い地域を避けることができればそれに越したことはありませんが、市の大部分が浸水域になっているような地域では、想定される浸水レベルがなるべく低いエリアを狙いつつ、いざという時の避難場所や経路を家族で共有しておく必要があります。

いずれにせよ良い物件をネットで見つけたから買う、というような買い方では、防災対策としての住宅購入を実現できません。
防災対策が難しいのは、一度家を所有してしまうと、主に費用の面で対策が取りにくくなることです。
土砂災害警戒区域に家を買ってしまった人は、津波と同じで大雨の時にはすぐ避難する習慣を強いられることになります。

■事前防災と事後防災を混同しない

毎年この時期になるとテレビでは防災グッズの特集が組まれます。
防災グッズは災害発生時を生き延びた後に必要なものです。
仮に1か月以上暮らせるような備蓄を確保しても、警報が発令されたら避難しなければなりませんし、家が津波被害に見舞われたら備蓄も意味がありません。
想定される災害は地域によって異なります。対策の優先順位も地域によって異なります。

根拠なく「自分は大丈夫」と思い込まないことこそが、これまでの災害から得られた大切な教訓ではないでしょうか。

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