前回は、不動産の4つの価格のうち、「路線価」についてお話ししました。
前回の記事は、不動産の4つの価格 その3 「路線価」
本日は、「実勢価格」についてお話しします。
実勢価格とは、実際に不動産を売りに出した時に、市場で「いくらで売れるか」という時価の事です。
例えば、土地を5000万円で売りに出したが、買い手がつきにくく、売値を下げて、結局4500万円で売ることが出来ました。この4,500万円が実勢価格となります。
つまり、売主と買主が市場の適正価格を理解した上で、目的となる不動産の状態、引渡し時期など全て合意のもと取引する価格です。
また、一般の土地取引の指標とされる公示価格との関係で考えた場合、実勢価格は公示価格の約1.1倍に相当するとされています。
≪不動産の評価額の目安≫
実勢価格(目安)=公示価格×1.1
実勢価格(目安)=固定資産税評価額÷70%×1.1
実勢価格(目安)=相続税路線価÷80%×1.1
※あくまでも目安です。
実勢価格と補正の考え方
実勢価格は、
・不相談の個別要素(土地の形状、道路付け、利用状況、建物の状態等)
・不動産の個別事情(売却理由、販売期間、残債務の有無など)
を全て考慮し、判断されます。
「補正」とは、不動産の個別要素や売主の個別事情を評価に反映し、案件ごとの市場での適正価格を見極めるための修正のことです。
個別要素や個別事情は案件ごとに異なり、統一した数字で規定できるほど単純ではないので、具体的な規定がありません。
修繕の有無は補正の対象となりうる
個別要素として、建物の状態はとても重要なポイントです。
仮に、同じ建築後20年の建物であっても、計画的に修繕を実施してきた建物と新築後一度も修繕を行っていない建物とでは、建物のとしての評価は全く異なります。
計画的に修繕を実施してきた建物と比較し、新築後20年間一度も修繕していない建物の場合、屋根、外壁、住宅設備類など、将来的に必要となる修繕費用が購入希望価格に必然的に反映されます。
また、建物の状態が悪く、雨漏り、シロアリ、木部の腐食等の修繕に急を要する不具合箇所存在していれば、必要となる修繕費用を評価時点で減額されることが多いです。
その他、売却理由、販売期間、タイミングなどによっても実勢価格というのは変動していきます。不動産の価格については、普段不動産の取引をしたことない方にとっては判断が難しいと思いますので、迷ったら不動産のエージェントに尋ねてみることをお勧めします。